2差2位の石川遼は35回目の最終日最終組 過去の最終組データでは3差以内の逆転V率は33%
<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 3日目◇22日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72> 【プロも目からウロコ】石川遼が実践する 緊張した場面に強くなるアプローチ練習がスゴイ 予選ラウンドを単独首位で通過した石川遼。この日は4バーディ・1ボギーの「69」で17アンダーまで伸ばした。しかし、5位タイから出た河野祐輝がこの日「64」をマークしてトータル19アンダーまでして首位の座を明け渡し、2打差の2位に後退。2023年の「ゴルフ日本シリーズJT杯」以来、自身35回目の最終日最終組に入り、逆転での通算19勝目を狙う。 第3ラウンドを振り返ると「そんなに悪くはなかったけど、2打ぐらいは確実にもったいないミスをしてしまった。自分でいい流れに持っていけなかった。1日中耐えたみたいな展開になってしまった」と話す。ミスを発端に伸ばしきれずに首位の座を明け渡してしまったが、スイングの感触は日に日によくなってきているともいう。 これまで18勝を積み上げているが、最終日最終組から生み出した勝利は、逃げ切り、逆転を含めて14回。やはり一番後ろの組で回るのが優勝の近道である。 石川自身「最終日最終組は常々、昔から目標にしている」と話す。ただ、「2位とか3位で迎えるのと1位で迎えるのはまた違う。本当のゴルフの難しさを味わうには最終日トップで迎えるのが特等席。なんとも言い難いプレッシャーというかがありますね」と、本当の“ゴルフ”と向き合う意味でも最終組の中でも1位は特別な位置である。今回は“特等席”を逃したが、2打差2位と次に“いい席”を確保している。 参考までにJGTOの資料から石川の最終日最終組の戦いを分析した。過去34回の最終日最終組の中で、単独首位から出たのは13回あり、9回逃げ切りに成功している。勝率は7割近い。首位タイからは9回中2回。タイを含めた首位スタートは22回中11回で勝率は5割と、特等席から逃げ切りの強さを見せる。 逆に2位以下のスタートは12回あり、逆転優勝は3回。その内訳は2打差逆転が1回、3打差逆転が2回。3打差以内のスタートは9回中3回逆転優勝を経験している。ちなみに最終組以外からの逆転優勝は4回ある。 明日、特等席からスタートする河野は2013年の「日本プロゴルフ選手権」以来、2度目。石川のすぐ後ろの3打差3位につける西山は自身初の最終日最終組。ともにツアー初優勝を目指す。 「(ゴルフの最終日は)マラソンでいえば残り10キロ地点。(勝負の行方は)これからが本番って感じだと思います。(本当の勝負は)これから始まるんだなと自分の中ではとらえている」。 最終組は優勝争いの展開を目の前で見ながらゲーム運びができる。最終組に入った2人よりも多くの経験を持つ石川は、残り“10キロ”の戦い方を熟知している。もちろんライバルは別の組から出ることも考えられるが、“ベテラン”のゲーム運びは見物だ。
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