“新紙幣”発行初日 各地で前日からお祭り騒ぎ 対応追われる企業は苦渋の決断も「キャッシュレス決済のみの券売機導入」
ついに2024年7月3日から始まった新紙幣の発行。全国各地で“新紙幣フィーバー”とも言えるお祭り騒ぎとなっています。 【写真21枚】“新紙幣”発行初日 各地でお祭り騒ぎ 対応進まず不便も の写真を見る 2004年以来、20年ぶりとなる新紙幣、1万円札は実業家の渋沢栄一。5000円札は教育学者の津田梅子、1000円札は細菌学者の北里柴三郎の肖像が描かれます。 渋沢栄一のふるさとである埼玉県深谷市では、「新1万円札発行家運ダウンセレモニー」が開かれ、深夜にもかかわらず多くの市民がお酒を手に新紙幣発行を祝いました。
“レア紙幣”求め前日から並ぶ
新紙幣の発行を心待ちにしていた人は他にも…。 発行前夜に「めざまし8」が取材したのは、すでに新潟市内の金融機関に並んでいるという男性2人組です。 増子さん(50代): 午後7時に来ました。 小林さん(50代): (翌日)9時から発行可能という形になっていますので両替が。(残りの待ち時間は)13時間とかそんなもんですか、ハハハ。 新潟県内に住む増子さんと小林さんは、誰よりも早く新紙幣を手に入れるため、銀行が開いて両替が可能になる13時間も前から並んでいたのです。 小林さん(50代): いわゆるAA番みたいな、それの早い番号を取れたらいいねという話はしています。 2人が狙っていたのは、紙幣に印刷される4文字のアルファベットと6桁の数字からなる記番号のレアナンバー。Aのゾロ目や100以下の数字はレア度が高いとされ、人気だといいます。 そんな、マニア垂ぜんのレア紙幣を手に入れるため、2人が両替用に持参した金額はなんと32万円! 増子さん(50代): 1万円10枚に5000円10枚に1000円10枚。きょうの朝銀行に電話したら、30枚しか替えられないと言われたんで。
対応に追われる企業 完全キャッシュレス化の選択も
盛り上がりを見せる一方で、街では新紙幣への対応に追われていました。 神奈川と東京の一部で運行されている、神奈川中央交通の路線バスは、1900台のうち新紙幣対応の運賃箱に変更された車両は、約4割にとどまっているといいます。 神奈中バスでは、9月末までに、全ての車両の運賃箱を新紙幣対応に変更する予定です。 券売機の販売業者であるエルコムには、問い合わせが相次いでおり、「納期ですが年内、間に合うかなという可能性もありますね」と話しています。 新紙幣に対応するため、苦渋の“値上げに”踏み切る店も…。 東京・品川区にあるラーメン店「濃厚豚骨ラーメン濱虎家」では、原価の高騰に加え、新紙幣に対応した発券機の導入費用が重い負担に。やむを得ず全てのラーメンを50円値上げしました。 東洋麺家 天野太雅社長: 券売機を入れ替えました。全部で4店舗ありますので全部入れ替えましたので、実質の負担が600万円という感じです。 うちとしては今までで最大の値上げなんですけども、(発券機の費用を)回収するには単純にですけど50円だと、3万杯売らないといけない感じですね…。 そして、これを機に現金精算の廃止へと舵を切る店もありました。 新宿のラーメン店「らぁ麺やまぐち」は、完全キャッシュレス化を進めることを決定。 ヒカリッチアソシエイツ広報 松宮由香さん: こちらが今、当店で使用している券売機なんですけども、新紙幣の対応ができないものになっております。当店では7月8日から、キャッシュレス決済のみの券売機を導入予定になっています。キャッシュレス化のみの券売機ですと、導入コストが100万円以下で抑えられます。 キャッシュレス券売機は、新紙幣に対応した券売機に比べると、導入コストが半分に抑えられるといいます。キャッシュレス化に対しては、客からも「普段からスマホ決済しており、ポイントがカードと連携してたまるのでキャッシュレス化はありがたい」と好印象です。 実際に「らぁ麺やまぐち」を運営する「ヒカリッチアソシエイツ」が、事前に2000人以上の利用客にアンケートを実施したところ、90%以上が完全キャッシュレス化により、利用頻度が増える、または変わらないと回答。利用頻度が減ると答えたのは、わずか6%だったといいます。