昭和の「トイレの香り」から一転、今では「癒やされる香り」に?秋の定番、金木犀
涼しくなると咲き始める金木犀(キンモクセイ)。その香りの強さから、沈丁花(ジンチョウゲ)・梔子(クチナシ)に並び、「三大香木」の1つに数えられています。しかしこの金木犀、年代によって抱くイメージが全く違うようです。 【写真】コラム:「金」があれば「銀」もある * * * * * * * ◆金木犀商品が秋の定番に! 金木犀といえば最も特徴的なのが、独特の甘い香りです。毎年どこからか漂ってくるあの香りに、秋の深まりを感じるという人は多いでしょう。 近年は若年層を中心に、「金木犀の香りを身にまといたい・癒やされたい」といったニーズも高まっています。 毎年9月ごろになると、さまざまなお店で金木犀の香りの香水やルームフレグランス、シャンプー、ボディクリームなどの商品が一斉に並び始める様子は、もはや秋の風物詩ともいえる光景になりました。 このように、秋を代表する花木として熱視線を浴びる金木犀ですが、昔から好意的に受け止められていたかというとそうではないようです。 かつてはある理由により、今とは正反対にマイナスイメージがついてしまっていたことがありました。
◆「トイレの芳香剤」のイメージ? 40代以上では、今の金木犀ブームに驚く人も多いかもしれません。というのも、昭和の頃は「金木犀=トイレの香り」というイメージが強かったためです。 以前は金木犀の香りの強さを利用し、トイレの近くに金木犀を植えたり、金木犀の香りの芳香剤を置いたりして、トイレの臭い隠しがよく行われていました。 こうして定着した「金木犀=トイレの香り」のイメージが薄れ始めたのは、平成になってからのことです。トイレの芳香剤の種類が多様化したことや、消臭技術が発達したことなどにより、トイレの芳香剤として金木犀が使われることが少なくなったのが理由とされています。 とはいえ、今でも金木犀にトイレのイメージを抱く人は少なくありません。 SNSでは、そうした「金木犀の香りに抵抗を感じる人」と、「他の花の香りと同じように好ましく感じる人」とで、しばしば意見のすれ違いが発生している様子がうかがえます。
「婦人公論.jp」編集部
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