年内の補正予算案成立に道筋 「103万の壁」引き上げで自公国合意
自民、公明、国民民主の3党は20日、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の引き上げや、ガソリン減税の検討などを明記した総合経済対策案について合意した。経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案についても「年内の早期成立を期する」とした。自公が衆院で過半数を持たない「少数与党」となる中、国民民主の看板政策を取り入れることで、年内の補正予算案成立に道筋を付けた。 【図解】103万円、106万円、130万円…年収の壁とは 3党の政調会長が国会内で会談後、合意文書に署名した。政府・与党は22日にも経済対策を閣議決定し、28日召集の臨時国会で補正予算案成立を目指す。「103万円の壁」の引き上げ幅などは、年末にまとめる25年度税制改正に向けて協議を続ける。 経済対策は「103万円の壁」について「25年度税制改正の中で議論し引き上げる」と明記。暫定税率の廃止を含めたガソリン減税は「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」と記した。 自民の小野寺五典政調会長は記者団に「国民民主の要望を可能な限り反映させるべく対応した。経済対策の実行段階でも、政府と連携して誠実に対応することを確認した」と述べた。国民民主の浜口誠政調会長は「103万円の壁について『引き上げる』と言い切っていただいたことは高く評価している」と述べ、補正予算案について「反対することにはならないのではないか」との認識を示した。 また、3党は税調会長による初めての協議を開催し、25年度税制改正に向けた本格的な議論をスタートさせた。国民民主は「103万円の壁」引き上げやガソリン減税を「最重点」の要望とした他、消費税5%への時限的引き下げ▽インボイス制度の廃止――などを求めた。【遠藤修平、高橋祐貴、古川宗】