教員の待遇見直しどうなる? 文科省と財務省対立【#きっかけ解説】
一方、財務省は、国が設定する残業時間の目標値を全国の教員の残業時間の平均が下回れば、その都度、翌年度の調整額を上げたい考えで、現在の4%から段階的に10%まで引き上げることを提案しています。 つまり財務省はまず残業時間を減らすことを条件にしていて、そのリターンとして調整額、給与を増やすという働き方改革 ありきの案を示しているんです。 具体的には、国が設定する残業時間の目標値を全国の教員の残業時間の平均が下回れば、その都度、翌年度の調整額を上げたい考えで、現在の4%から段階的に10%まで引き上げることを提案しています。 ──狙いはどこにあるんでしょうか? 財務省は勤務時間の管理の徹底や、教員が担わなくてもいい業務を減らすことなどにつなげ、数年かけて残業時間を平均で月20時間に減らしたい考えです。 ただこの財務省案に対し、阿部文科相はこう言っています。
教員や外部人員を確保せずに現場の努力だけで業務を減そうとするのは「乱暴な議論だ」などと批判しているんですね。 ──学校など現場からは実際にどういった意見が出ているのでしょうか? 現役の先生に話を聞いてきました。
岐阜県の現役高校教師西村 祐二さん 「まず求めるのはお金よりも働き方改革」 「文科省が出している案については、残業が今後確実に減っていくという確信がなにも 持てない」 「その中で『ちょっと給与を増やすよ』ということをいきなり言われて、これは『給与を増やすからこれまで通り働いてくださいね』という受け止めとなってしまう」
──このニュースを通じて、島津記者が一番伝えたいことは何でしょうか? この年末には予算編成があります。このあとどういったカタチで見直しがされるか教員の待遇の方向性を決める、今後の教育の行方を左右する大きなターニングポイントだと思うので、現場の教員が納得する結論にしてほしいです。 ──こどもたちの将来を育てる教員の待遇がどう見直されるか、注視していきたいですね。