『光る君へ』大河史上初の「シーズン2」囁かれる意味深なラストシーンと“パクリ疑惑”
「嵐が来るわ」
今の時代なら世間を騒がすスキャンダルになる、“不倫”を含む自由恋愛や“隠し子”などが珍しいことではなかった平安時代を新鮮に感じ、ドラマが面白いと感じた視聴者も多かったのかもしれない。その結果、もともと大河ファンではない層を獲得することができたのだろう。 女性文化人+平安時代+ミステリー+サスペンス+メロドラマという、これまでの大河には見られなかったスタイルの『光る君へ』のラストシーンに、ネットではどよめきが起こった。 従者・乙丸を従えて旅に出たまひろ(紫式部)が、騎馬武者の集団とすれ違う。その中に双寿丸がおり、彼はこう言うのだった。「東国で戦が始まった。これから俺たちは朝廷の討伐軍に加わるのだ」テロップに出ていた長元元年(1028年)、上総国、下総国、安房国(現在の千葉県)で『平忠常の乱』が起こっている。そして、まひろが遠くを見つめながら「道長様…」と心の声で言い、 「嵐が来るわ」 と、一言つぶやいてドラマが終わった。 SNSでは、《すごいラストだ》、《これまでの大河では見たことない終わり方。カッコいい》、《次の時代が来ることを予感させている》などと称賛の声が上がったが、同時にこんな声も。 《映画『ターミネーター』のパクりだ!》
囁かれる大河初の「シーズン2」
『ターミネーター』のラストシーンでは、サラ・コナーが立ち寄ったガソリンスタンドで、少年がスペイン語で「Viene una tormenta! (ヴィエンナ・トルメンタ!)」と叫んだ。それをそばにいたオジサンに英語に訳してもらったのが「There's a storm coming.」。そう、「嵐が来る」だった。 『光る君へ』に置き換えてみると、たしかに武士の時代がやってくるのを予感させる言葉ではあるが、もっとほかに含みがあるのではないかというのは、前出のテレビ誌ライター。 「ラストシーンのセリフは、激動の時代がやってくるのを示唆しているだけではないような気がします。最終回のサブタイトルは『物語の先へ』でした。そして最後のセリフから深読みすると、大河史上初の続編が作られるのではないかと言っている民放関係者もいます。シーズン2ですね」 徳川家康や豊臣秀吉など、戦国武将は何度も大河に登場している。ただ、毎回が主人公ではなく、“脇”に回ることも多い。紫式部が“脇”として登場することもあるだろうが、そうではなく、“その後の式部”が描かれるのではないかと。 「総集編ではラストシーンは変わっていましたが、幕末の武士は別として、歴史ドラマの主人公となる戦国武将はたいてい天寿を全うしています。紫式部に関しては残されている資料が少ないのですが、オリジナル脚本で晩年を描けば、『光る君へ』で大河ファンになった新しい視聴者も付いてくると思います」(映画誌編集者) 放送が終わってもこれだけ話題になっている『光る君へ』は、大河史に残る名作と言えるだろう。