気温、湿度、気圧の差で起きる「寒暖差アレルギー」の対処法
花粉やダニのアレルギーとともに、季節の変わり目は特に増えるという寒暖差アレルギー。誰にでも起こりうるというその実態や対処法について、アレルギーのスペシャリスト、石井正則先生が解説してくれました。 【画像で見る】寒暖差アレルギーの対処法は2つ * * * ▶アレルギーについて教えてくれたのは 石井正則先生 JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長。医学博士。耳鳴りやめまいなど神経耳科の専門医であり、花粉症やアレルギーにも詳しく、テレビや新聞、雑誌などメディアでも活躍中。『70歳から難聴・耳鳴り・認知症を防ぐ対処法』(さくら舎)など著書多数。 ■寒暖差アレルギーは生活習慣の改善で緩和できる! 寒暖差アレルギーも、鼻水やくしゃみなどの症状が特徴。「花粉症やほかのアレルギーと症状が似ているため、『寒暖差アレルギー』と呼ばれていますが、正しくは『血管運動性鼻炎』という症状です。これは7度以上の寒暖差によって自律神経が乱れ、免疫細胞が過剰に反応し、鼻炎として現われるもの。例えば、ラーメンなど熱いものを食べたときに鼻が詰まる、鼻水が出るという経験がある人も多いと思いますが、これが寒暖差によって慢性的に起こっている状態です。脳がストレスや疲れ、睡眠不足によって過敏になっている人ほど、症状は悪化し、鼻炎のほか、首や肩の凝り、気力の低下、耳鳴りやめまいとして現われることも。寒暖差アレルギーを疑ったら真っ先に生活習慣を見直すことが大切です」 ■対処法1:ストレス、疲れ、睡眠不足を解消する 寒暖差アレルギーのメカニズムは、気温、湿度、気圧の差を皮膚が感知すると、免疫細胞に影響が出て、自律神経の乱れが症状を後押ししてしまうことからです。アレルギー症状の悪化を防ぐには、休養が大切。「寒暖差アレルギーも花粉症も、ストレスなどによって免疫が落ちているのが悪化の原因。だからこそ、ストレスや疲れ、睡眠不足に心当たりがある人は、まずはしっかりと休養を取ること」。趣味や好きなことで気分転換し、リフレッシュする時間も大事です。 ■対処法2:腸内環境をよくして免疫力を高める 日頃から腸活もしている石井先生。食事内容を変えてから花粉症の症状が治まったそう。「免疫の暴走を抑えるには、腸内環境の改善がマスト。生きた酢酸菌の多い黒酢やもろみ酢、納豆やヨーグルト、食物繊維が豊富なキャベツなどを毎日の食事に取り入れてみて」 * * * 今アレルギー症状がなくても、掃除や生活習慣を怠ると発症することがあるそう。自分や家族がぽかぽかで健やかな真冬を迎えられるよう、日々の習慣を見直してみませんか? イラスト/ Aikoberry 文/中田蜜柑