子どもが3人おり、3人とも大学進学させたいと考えています。貯金額が目標であった「1000万円」に到達しましたが、これでは足りない気がします……。あといくら必要でしょうか?
「大学進学のための資金を準備(貯蓄)できたけど、足りない気がする」、と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えば、子どもが3人いる方が「目標額である1000万円を貯蓄できたけど、本当に大丈夫だろうか」と思われても不思議ではありません。 本記事では「大学進学の費用はいくらかかるのか」「子どもが3人いる場合の大学進学の資金は1000万円で足りるのか?」について解説します。1人当たりの大学進学の費用(進路別)についても紹介していますので、大学進学前の子どもがいらっしゃる方の参考になると思います。ぜひ、最後までお読みください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
大学進学の費用はいくらかかるのか?
大学進学にかかる費用は、子どもの進路によって異なります。令和5年度の国立大学・公立大学・私立大学(文科系学部)・私立大学(理科系学部)・私立大学(医歯系学部)の主な学費(入学料・授業料・施設設備費)は図表1のとおりです。
※文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」資料1, 参考2をもとに筆者作成
子どもが3人いる場合の大学進学の資金は1000万円で足りるのか?
問題は、「大学進学の資金は1000万円で足りるのか?」ということです。先述のとおり、大学進学にかかる費用は子どもの進路によって異なります。したがって、大学進学の資金が1000万円で足りるかどうかを検証するためには、まず3人の子どもがどの進路を選ぶかを仮定しなければなりません。 前章では5種類の進路と学費を紹介しましたが、話を簡単にするために以下の条件を付け加えることにします。 ●国立大学と公立大学を「国公立大学」とし、学費を252万円とする ●私立大学(文科系学部)の学費を411万円とする ●私立大学(理科系学部)の学費を542万円とする ●私立大学(医歯系学部)は進路として考慮しない 子ども3人の進路の組み合わせと学費の総額は、以下のとおりです。 (1)3人とも国公立大学に進学:756万円(= 252万円× 3人) (2)2人が国公立大学・1人が私立大学(文科系学部)に進学:915万円(= 252万円× 2人+ 411万円× 1人) (3)2人が国公立大学・1人が私立大学(理科系学部)に進学:1046万円(= 252万円× 2人+ 542万円× 1人) (4)1人が国公立大学・2人が私立大学(文科系学部)に進学:1074万円(= 252万円× 1人+ 411万円× 2人) (5)1人が国公立大学・1人が私立大学(文科系学部)・1人が私立大学(理科系学部)に進学:1205万円(= 252万円× 1人+ 411万円× 1人+ 542万円× 1人) (6)1人が国公立大学・2人が私立大学(理科系学部)に進学:1336万円(= 252万円× 1人+ 542万円× 2人) (7)3人とも私立大学(文科系学部)に進学:1233万円(= 411万円× 3人) (8)2人が私立大学(文科系学部)・1人が私立大学(理科系学部)に進学:1364万円(= 411万円× 2人+ 542万円× 1人) (9)1人が私立大学(文科系学部)・2人が私立大学(理科系学部)に進学:1495万円(= 411万円× 1人+ 542万円× 2人) (10)3人とも私立大学(理科系学部)に進学:1626万円(= 542万円× 3人) 以上のことから、大学の資金が1000万円で足りるのは(1)または(2)のときのみであるということが分かります。それ以外のときは大学資金が1000万円では足りず、何らかの対策が必要になります。