皇居で蚕を飼育された美智子さま、その繭から紡がれた糸は美しいドレスに…フランスで称賛「superbe!」
歴代の皇后が担う
近代化を進めた明治期、養蚕は国の重要産業となり、奨励のため、明治天皇の后(きさき)である昭憲皇太后が自ら取り組み始めた。歴代の皇后が春から初夏にかけて桑摘み、蚕に桑の葉を与える給桑(きゅうそう)といった作業や「御養蚕始(はじめ)の儀」などの行事を通して担われてきた。
宮内庁の太田さんによると、小型でくびれた形の小石丸の繭からは細くて良質な糸がとれるが、交雑種に比べて切れやすく産出量が少ない。だが、細くてしなやかな質感が古代の絹糸に近いことがわかり、皇居で育てる小石丸の繭は増産された。