高校時代から意識した大衆性、かつ深化もさせたい――Mrs. GREEN APPLEが向かう「ふたつの軸の理想像」 #なぜ話題
間近で見ていた若井と藤澤にとっては、そんな大森に感化される機会になったようだ。 「正直、心配だった部分もありました。でも、本人が開口一番に『やっていく』と言ったので。それに対して『大丈夫?』みたいな感じで声を掛けるのは、逆にそのアーティスト精神にすごく失礼な気がして。僕らは今までにやったことのないようなツアーをやっていたので、自分自身もツアーの中で成長していかないといけないことがまだまだたくさんあると改めて思った。ちゃんと自分のやるべきことを成し遂げなきゃなと、気持ちが引き締まる瞬間ではありました」(藤澤) 「元貴はプロとしての意識が高い人なんだって、メンバーから見ても改めて思いました。数日後にはライブで歌っていたし、他の仕事も100%やっていた。自分たちも頼ってもらえるようにしっかりしなきゃなって思いが強くなった部分もありました」(若井)
バンドとしての理想像とグループとしての理想像
楽曲制作にも意欲的に取り組んでいる。4月12日には新曲「ライラック」が配信リリースされた。アニメのオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲は、青春をテーマにした一曲だ。 「ちょっぴり大人になった今の僕たちが歌う青春ソングを書いてみようというのが取っ掛かりです。以前にも『青と夏』という楽曲をリリースしたんですけれど、そこでは青春の爽快さや憂いや甘酸っぱさを『青』と形容していた。もう一度『青』を歌うってなった時に、ちょっとかすみがかって色あせた、でもすごく上品なライラックカラーが頭の中に浮かんだんです」(大森) 6月14日に公開される映画「ディア・ファミリー」には、主題歌として新曲「Dear」を書き下ろした。伸びやかでドラマチックなメロディーが印象的な楽曲だ。心臓病の娘のために人工心臓の開発に挑んだ家族を描く実話をもとにした映画のストーリーに感化されて制作したという。 「とにかく映画が素晴らしかったので、そこからもらったものは計り知れないです。何も邪魔しちゃいけないなという感覚で書いていきました」(大森)