【エリザベス女王杯展望】レガレイラ&スタニングローズのGⅠ馬2頭が中心も上がり馬多数で混戦ムード
[GⅠエリザベス女王杯=2024年11月10日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝外2200メートル] 天皇賞・秋でのまさかの大敗を喫したリバティアイランドはジャパンCを選択肢のひとつに。また、スターズオンアースや3歳女王のチェルヴィニアもエリザベス女王杯ではなくJCで世界に挑む。世の中の流れより早く〝ジェンダーレス〟が定着している競馬界。トップ牝馬は強力牡馬に挑むのが当たり前となり、彼らを蹴散らすような走りを見せるシーンも珍しくない。 そんな流れが影響してか今年の女王決定戦・エリザベス女王杯もやや寂しい面々に。それだけに多くの馬にチャンスがありそうな組み合わせでもあり、予想や馬券的には面白みある一戦となりそうだ。 中心的存在はただ一頭の3歳馬レガレイラ(木村)だ。2歳時にはホープフルSで牡馬相手にGⅠ勝利。今春も皐月賞→ダービーと男馬に挑んで勝利こそ手にできなかったものの、大崩れなく走って力は示した。牝馬路線に戻った秋初戦のローズSは5着に敗れたが、序盤で後手に回ってしまったもの。今回もレース運びはカギになるが、実績ある右回りで外回りになれば、古馬相手でも能力は引けを取るまい。 もう一頭のGⅠ馬スタニングローズ(5歳・高野)は一昨年の秋華賞V後、2年間にわたって馬券圏内なし。ただ、いずれも着差的に大きく負けてはおらず、初コンビC・デムーロの手綱さばきも味方にGⅠウイナーの意地を見せられるか。 シンリョクカ(4歳・竹内)は前走・新潟記念を8番人気でV。竹内調教師、木幡初とともに人馬初の重賞タイトルを手にした。これがまだ2勝目とはいえ、デビュー2戦目の阪神JFでは12番人気ながらリバティアイランドの2着と好走。意外性も秘めたタイプで、地力強化を果たした今年は昨年(0秒5差9着)以上の走りが期待できそうだ。 勢いという点ではシンティレーション(5歳・池上)も負けていない。府中牝馬Sでは2着に敗れたが、0秒2差の勝ち馬は昨年のこのレース覇者ブレイディヴェーグ。その勝ち馬と並ぶ最速上がり(32秒8)をマークして、充実ぶりをアピールした。今週から短期免許で騎乗するマーカンドを鞍上に配し、コースや展開、馬場を問わない堅実な走りはここでも脅威だ。 デビューから6戦4勝2着1回3着1回のホールネス(4歳・藤原)も底を見せておらず魅力十分。2勝クラスを勝った後は2戦続けて格上挑戦したように、陣営の期待値の高さをうかがわせる。実際にGⅢマーメイドS3着→リステッド新潟牝馬S1着と結果を残した。キャリア6戦のうち2200メートルで<3・1・0・0>の安定感。遅れてきたアイルランド生まれの素質馬にとって、一気の頂点取りも決して夢ではあるまい。 昨年3着馬ハーパー(4歳・友道)、4着ライラック(5歳・相沢)、6着サリエラ(5歳・国枝)は近走不振も力は確か。ほかにも牝馬重賞の常連モリアーナ(4歳・武藤)やコスタボニータ(5歳・杉山佳)、昨年の紫苑S3着で2勝クラスと3勝クラスを連勝中のシランケド(4歳・牧浦)など伏兵陣も多彩だ。
東スポ競馬編集部