釣った魚を地面に放置…マナーの悪い釣り客に地元の漁師ブチ切れ その胸に秘めた切なる願い「魅力ある霞ヶ浦を伝えたい」
外来魚に対するルール・対処法もあるものの…浸透していない?
釣りを楽しむ人も、ルールやマナーはしっかりと守らなくてはいけません。 魚をその場に放置したりせず、最低限締めてからバケツやクーラーボックスに入れて持ち帰るなどの対策は必要でしょう。 また、最悪自宅に持ち帰れない場合であっても、釣った魚を生きたまま同じ場所に戻す、いわゆる“キャッチアンドリリース”は禁止されていません。 さらに、茨城県では、指定日に霞ヶ浦で捕った外来魚などを回収し、飼料や肥料などに利用する“釣り魚有効活用促進事業”を実施しています。魚を持参した方にはその重量に応じて、特産品をプレゼントするなどの特典も設けているといいます。 しかし、そういった自治体の方針や施策が、地域にきちんと伝わっていないというのも、このような問題が起こる原因の一つではないかと、麦わら村長さんは考えます。 ルールやマナーを守り、自治体の取り組みも積極的に利用するなどして、健全に釣りを楽しむ――釣り人たち各々が意識を高めることも大切ですが、自治体がより大々的に人々に呼びかけていく姿勢も必要かもしれません。
霞ヶ浦の魅力を皆に伝えたい
日本で2番目に大きな湖であり、長年漁場としても栄えてきた霞ヶ浦。かつてはうなぎ漁も盛んだったといいます。しかしながら、先述の通り外来魚が繁殖したことによって、ワカサギやシラウオ、コイといった魚の個体数が減少したり、漁師たちの高齢化が進んだりして、その活気が失われつつあります。 「生まれ育った霞ヶ浦の魅力を、今の人たちや観光客たちに伝えたい」 麦わら村長さんはそのような想いで霞ヶ浦を活性化させるためのさまざまな活動を行っています。観光客の方々がうなぎの漁や調理を体験できる施設・うなぎ村を運営。また、外来魚であるアメリカナマズをジャーキーにして無料配布するなどの活動も。 8月2日より、「アメリカナマズ食用化プロジェクト」と題し、外来魚の加工場をつくるためのクラウドファンディングも実施。外来魚の数を廃棄ではなく有効活用しながら減少させ、霞ヶ浦の生態系の安定を図るべく、さらなる活動の展開を目指します。 ◇ ◇ 霞ヶ浦が地元の方々はもちろんのこと、遠方から来た観光客たちにも、居心地の良い素晴らしい場所であるために――釣りをする時には、ルールやマナーを守りながら楽しむことが大切です。 今回、心ない釣り客に対し、大きな怒りを向けた麦わら村長さんですが、その胸の内には、霞ヶ浦への揺るぎない愛がありました。 Xなどへの投稿のほか、YouTubeにて「麦わら村長チャンネル」を開設し、霞ヶ浦の魅力について大々的に発信。今回の投稿に関する詳細も、動画にて公開しています。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))
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