[山口県]小児医療センター新設へ 県立総合医療センター(防府)に
県「子ども・子育て応援プラン」素案 子育て手続きDX化、負担軽減
山口県は、2025年度から5年間を期間とする子育て支援と少子化対策に関する指針「やまぐち子ども・子育て応援プラン」の次期計画素案を取りまとめた。県が全面的な建て替えを予定している県立総合医療センター(防府市)に小児医療センターを新設したり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用して子育てに関する手続きの負担を軽減したりする取り組みを盛り込んでいる。パブリックコメント(意見公募)を経て来年2月に最終案を取りまとめ、同3月中の策定、公表を目指す。 県医務保険課によると、建て替えを踏まえて設置する計画の小児医療センターでは、慢性的な病気や治療が難しい小児難病などに対応。総合医療センターの建て替えを巡っては、現在地から南西約1キロの位置に新病院を建てる予定にしている。本年度中に基本計画を策定し、開院目標時期などを示す見通しという。 プランではこのほか、自治体間で利用できるサービスに差が生じたり、書類の提出を何度も求められたりする子育てに関する手続きをDX化して負担軽減につなげるほか、ホルモンバランスが崩れる影響で歯周病にかかりやすくなる妊娠期の口腔(こうくう)ケアに向けた施策の推進にも着手。病気の治療前に卵子や精子などを凍結保存する「妊孕(にんよう)性温存療法」の推進、ひとり親家庭の養育費確保に向けた支援にも力を入れていく。 厚生労働省の人口動態統計によると、県内で2023年に生まれた子どもの数は7189人で、ここ30年間で半減。村岡嗣政知事は人口減少を県政最大の課題と位置付けており、25年度も重点的に取り組む考えを示している。県こども政策課は「子どもや子育て世帯のウェルビーイング(心身ともに良好な状態)を確保できるよう、取り組みを前に進めていきたい」としている。