【RIZIN】“進化の止まらない37歳”久保優太「シェイドゥラエフを倒して鈴木千裕選手とタイトル戦を!」
■立ち技で頂点に立つもMMA転向に苦労「何度MMA辞めようと思ったことか…」
――MMAで外国人ファイターと対戦するのは初めてですが、日本人と外国人で戦い方に違いは感じますか? 【久保】K-1でデカい外国人と散々やってきて、あんまり違いはないと思いますが、1つだけ挙げるなら日本人の方が根性はありますね。最後まで諦めないで粘る、ダメージを受けても顔に出さない、そんな気持ちの強い選手が多いと思います。あとは、『超RIZIN.3』のときは会見や公開練習がいっぱいあって、何度も対戦相手と顔を合わせていましたけど、外国人相手だとそういうのが少なくて戦いにフォーカスできるので、気持ち的に楽ですね。 ――現在MMAで5連勝中、しかもベテランの高橋選手や斎藤選手にも勝利していますが、久保選手がMMAファイターとして何か覚醒するポイントはあったのでしょうか? 【久保】自分はキックボクシングで世界のトップになりましたけど、MMAはやることがすごく多くて、自分の打撃技術から「今はこれが使える」「これは使えない」っていう取捨選択がすごく大変な作業で、K-1から転向した直後は正解を手さぐりで探している状態でした。それを弟と一緒に試行錯誤しながら少しずつ積み上げてきて、徐々に試合で正しい選択ができるようになってきたので、どこで覚醒したっていうポイントがあったわけではないんです。 ――日々の積み重ねが少しずつ実を結んだ結果ですね。 【久保】莫大な情報量と実践によって、今はストライカーがMMAで強くなるための最短ルート「久保ロジック」を見つけたので、今度は自分が指導者としてメソッドを教えてあげたいと思っています。 ――K-1やGLORYなど立ち技でトップになった久保選手が、MMAに転向して最も苦労したこととは? 【久保】技術というより、今まで自分やってきたことが通用しなくて、MMA練習でジムの一般会員さんにもボコボコにされて、現実を突きつけられてメンタルがガラガラと崩れたときは、かなりつらかったです。僕はK-1もGLORYも両方のベルトを取って、圧倒的な実績で自信やプライドもあったのですが、MMA練習ではアマチュアの選手にも一本取られまくってしまう。自分が真っ向から否定されたことがすごくショックで、心の中では何度MMA辞めようと思ったことか…。 ――立ち技の頂点を知っているだけに、メンタルのダメージは余計に大きそうですね。 【久保】そして“例の事件”(※2021年大みそかの試合)があって、僕の評価はマイナスにまで落ち込んでしまったので。そうなったらもうプライドを持つ必要がなくなって、あとは自分のやってきたことを証明するだけで、上を見るしかないという状況になったことは、大きな転機になったかもしれないです。