阪神が警戒すべきは反対方向のドームアーチ
明日15日からセ、パのクライマックスシリーズのファイナルステージがスタート。セ・リーグは、東京ドームでの巨人―阪神の激突となった。今季の巨人―阪神の対戦成績は、13勝11敗で巨人に分があり、その2つの貯金はドームでの7勝5敗で作ったものだ。阪神の対巨人のチーム防御率は4.09だが、ドームとなると防御率が5.61にグンと悪くなる。阪神は、岩田、メッセンジャー、藤浪、能見、岩崎の5人の順で先発させる予定だが、対巨人の防御率がドームになると、岩田が2.81→4.76、能見が5.09→10.13と極端に悪くなる。今季は、そのドームでしか投げていない藤浪は防御率4.50で0勝2敗。光明はドームで2勝0敗で、防御率が3.17→3.00と良くなっているというメッセンジャーの存在だけだが、ファーストステージで先発したため1試合にしか使えない。 プロ野球、在籍率で楽しむドラフト会議 ── 結果、どれくらいプロに残っているのか? いくら菅野が抜けたといえど、そのデータに加えて巨人には1勝のハンディがつくのだ。ほとんどの評論家が巨人有利の予想をするのも無理はない。阪神DCの掛布雅之氏でさえ評論家の立場では、「6対4で巨人有利」とTHE PAGEのコラムに執筆していた。 引退したばかりの前千葉ロッテの里崎智也氏も、「菅野が抜けたと言いますが、阪神も信頼のおけるメッセンジャーを1試合しか使えません。加えて巨人には東京ドームの利があります」と、巨人有利の理由に“ドームの魔力”を指摘する。 「ホームランがゲームを動かしますからね。東京ドームは間違いなくボールが飛びます。気圧の関係でしょうね。ジャイアンツの選手で飛び道具使える選手は何人いますか? 対して阪神は、ゴメスに福留くらいでしょう。僕はキャッチャーだったので、守る側から考えてしまいますが、ジャイアンツは東京ドームで、ずっとやっているからバッテリーが、そこでの戦いを知っています。阪神も年間に12試合やっていて『今さらわかっているよ』という球場ですが、短期決戦となると話は別なんですよ」 東京ドームは、空気圧をあげて、天井に張られたフッ素樹脂コーティングのガラス繊維膜材を押し上げている。その気圧の関係で打球が飛ぶ。巨人は今季144本のチーム本塁打を記録しているが、そのうち72本がドーム。阪神のドームでの被本塁打は18本。アウェーでの最多だ。 「僕も、現役時代にそうでした。打球が上がっただけで入ってしまうのでは?と考えてついつい引き気味にリードしてしまうんです。加えて一発負けたら終わりの短期決戦ですから。より慎重さが出るんです。そのリードがうまくはまればいいんですがが、もしボールが先行したら終わりでしょう。とにかく、どれだけ怖がらずにいけるか。序盤に一発を打たれて、びびってしまうのかどうか。そこが成否を別ける一番のポイントでしょう」