人と人とのご縁に感謝、通天閣の元気娘「むんむ」さん
「人と人とのご縁に支えられ歌わせてもうてます」ー。多くの人でにぎわう大阪のシンボル通天閣(大阪市浪速区)のステージで、ギターを手に元気に歌う女性がいた。彼女の名はシンガーソングライターの「むんむ」さん。 聞けば、通天閣から「元気娘」の称号を与えられ、出かけた先で得た人と人とのご縁をきっかけに、これまで町村や大手企業のイメージソングなどを手がけてきたという。19日には、通天閣で初の単独ライブを行うことになるなど、気合い十分な「元気娘」の生き方を聞いてみた。
活動拠点は泉州、串カツキャラソングで頂点に
大阪府岸和田、貝塚両市を中心とした泉州を拠点に活動するむんむさん。学生時代からバンド活動をしていたかと思えば、ブラスバンド部でトランペットをふき、バレーボール部などに所属。短大も音楽とは縁のない学科だった。だが、地元にある音楽好きが集まるBARへ行ったことが人生を変えた。「ドラムとかギターとかが得意なおっちゃんらに『楽器やってみるか』と声をかけられて。何度も通ってギターもそこで覚えたんです」と当時を振り返る。 音楽の魅力にとりつかれ、バイトをしながら先輩らのバンドのライブに参加し、曲作りを勉強する日々を約10年おくる。そして3年前に転機が訪れた。大阪・新世界の串かつキャラクター「くしたん」のテーマソング募集イベントを知り応募。新世界と串カツのイメージをどっぷり詰め込んだ曲「キラキラ☆くしたん」が、全国から寄せられた78作品の応募の頂点を獲った。以来、様々なイベントに出演。新世界のシンボルである通天閣とも縁ができ、高井隆光副社長から「通天閣の元気娘」という称号も与えられた。「この時にいろんな方々とお会いできる楽しさを知りました」
町村や大手企業のイメージソングも手がける
以来、地元である泉州の祭りから、様々なアーティストのライブにも呼ばれる数も増えてきた。そんな中、知り合いのバンドメンバーから「自分の勤める会社の決起集会のイメージソングを作ってほしい」と頼まれた。「会社名を聞くと『ダンロップ近畿』。大企業やーとビックリしました」と語るが、会社関係者からいろんな思いを聞き取り取材。その思いを歌にこめて制作し大会で発表された。すると、大会に来ていた同社役員がこの歌を気に入り、全国の拠点に広まるようにと呼びかけた。その結果、昨年から同社の社内サイトで動画公開される運びになったという。同社企画推進部の早川亮さん(34)は「前例もなく早い展開でしたが、こうしたおもしろい動きが広まれば。むんむさんには、次の決起大会にも来ていただきます」と話した。 このほか、奈良県高取町のイメージソングや黒滝村のゆるキャラソング。岐阜市内の歯科医からは、同市の歯をテーマにしたゆるキャラのテーマソングを依頼されるなど、縁が縁を呼び仕事につながっているという。「うちにはヒット曲とかはありません。せやけど、歌を通じていろんな人の温かさ、ご縁の大切さを知りました。あとは家族の支えも大きい。こうした思いを、ぎょうさん歌作りに生かしていければ」。活動範囲は広がっても、地元拠点のスタイルは貫く。毎週金曜日午後8時には、ラヂオきしわだ「むんむのやってるデー!フライデー!」の生放送をこなし、毎週ゲスト招き、地元を中心とした魅力も伝え続けている。 19日午後7時からは通天閣地下にある「わくわくランド」のステージで、初の単独ライブを行うことに。「この日は私の誕生日でして、高井副社長に指名頂きました。ほんまに頑張らな」。周囲の粋な計らいに感謝し、きょうも明るさを広めていこうと「元気娘」は練習に励む。