【ラグビー大学選手権】対抗戦からチーム力アップの帝京大、リザーブ編成に注目の早大…決勝のポイントは
◇ラグビー全国大学選手権 準決勝 帝京大34ー26 明大 早大 31ー19 京産大(2025年1月2日 国立) 【砂村光信 視点】帝京大は対抗戦で早大に敗れた反省から、着実にチーム力を上げてきた印象を受ける。大学選手権で慶大、明大と厳しい相手との戦いが続いたこともプラスになったはずだ。 準決勝で目についたのはディフェンスやフィジカルの強さに加え、相手の陣形を見ながらアタックを変えられること。当初はオープンにFWも置いて展開していたが、後半にはLOダウナカマカマらがラックサイドへ行くようになり、明大のディフェンスを突破していた。 今季の早大はディフェンスの良さが光る。FL田中勇のように小柄でもがむしゃらにディフェンスをする、かつての早大らしい選手を起用していることも一因だろう。後半に31-0となってSO服部を下げたあたりから京産大の反撃を許したが、大田尾監督は「(SHの)宮尾と(HOの)安恒が入るとゲームを変えられることが分かった」と話しており、決勝で帝京大相手に有効なリザーブを見極める目的だったとみられる。準決勝を見る限りでは、リザーブも含めた23人のチームとしては帝京大の完成度が上と言えるが、決勝で早大がどんなメンバー編成にするのか見ものだ。 決勝では、試合中に対応して自分たちのアタックとディフェンスを変えられるかが1つのポイントになる。両チームともアタックはオープンを使ってくるが、帝京大はよりFWにこだわると縦への推進力が強い。その際に早大はBK陣が内へ寄ることなく耐えて外側にスペースを与えない、つまりFW陣が止めるディフェンスができるかどうか。早大のアタックでは深いラインで攻めた際、もの凄いスピードで両WTBが上がってくる帝京大に対し、裏のスペースを突けるかも鍵を握る。裏へのキックが使えるCTB野中とFB矢崎の判断が重要となりそうだ。 (元U-23日本代表監督)