保守分裂の激戦幕開け 衆院選和歌山2区
「裏金問題」に端を発する政治不信からの信頼回復を争点に衆院解散総選挙(27日投開票)が15日、公示した。和歌山2区では自民党派閥の裏金問題の責任を取る形で不出馬を表明した二階俊博元幹事長の三男、伸康氏(46)と、同じ問題で同党を離党、参院からのくら替えを狙う世耕弘成氏(61)が激しく火花を散らす保守分裂選挙となった。 【保守対決軸に混戦模様 揺れる自民の牙城、衆院選和歌山2区の記事はこちら】 解散から投開票日までが18日間と、異例の短期決戦。主な争点には、物価高対策や子育て政策、外交・安全保障などもあり、石破新内閣を信任するかどうかも問われる選挙となる。 小選挙区は「10増10減」の区割り変更で、県内の選挙区は「3」から「2」に減った。1区が旧1区の和歌山市と旧2区の岩出市、紀の川市。2区は旧2区の他の市町と、旧3区の計27市町村。特に2区は広大で、候補者がどう戦っていくか注目される。 2区には、届け出順に共産の楠本文郎氏(70)、立憲民主の新古祐子氏(52)、二階氏、諸派の高橋秀彰氏(42)、世耕氏が立候補を届け出た。 1区は届け出順に、旧1区前職で維新の林佑美氏(43)、立憲民主の村上賀厚氏(65)、参政の林元将崇氏(26)、自民の山本大地氏(33)、共産の井本有一氏(58)、諸派の正司武氏(73)の6人が立候補した。 2区の選挙人名簿登録者数は14日現在で、37万9453人、1区は39万6594人。期日前投票は16日から26日で、県内68カ所に設置される。 ■本間氏は立候補せず 無所属で立候補を予定していた政治団体代表の本間奈々氏(55)は13日、紀伊民報の取材に対し「立候補を取りやめる」と表明した。「二階氏の世襲をやめさせるため立候補しようとしたが、世耕氏も立候補することになり、保守票を割ってしまうことを考慮した」と話した。 ■ 立候補届け出 届け出順 15日正午現在 氏名・投票日現在の満年齢・党派・元前新の別・丸数字は当選回数。略歴は現職(経歴)▽学歴▽住所。経歴は原則として候補者の申告 ■2 区(定1-候5) 楠本文郎(くすもと ふみろう) 70 共新 党県委員(県議、御坊市議、小学校教諭)▽和歌山大卒▽御坊市 新古祐子(しんこ ゆうこ) 52 立新 食品コンサルティング会社代表(和歌山市議)▽仏教大(通信)修了▽和歌山市 二階伸康(にかい のぶやす) 46 自新 党県第二選挙区支部長(衆議院議員秘書、航空会社社員)▽青山学院大卒▽田辺市 高橋秀彰(たかはし ひであき) 42 諸新 政治団体代表、農業(ITベンチャー会社社長)▽早稲田大中退▽兵庫県丹波市 世耕弘成(せこう ひろしげ) 61 無新 前参院議員(参院自民党幹事長、経済産業相)▽早稲田大卒▽新宮市 ■1 区(定1-候5) 林 佑美 43 維前(1) 前衆院議員 村上賀厚 65 立新 人材コンサル業 林元将崇 26 参新 食品販売業 山本大地 33 自新 前和歌山市議 井本有一 58 共新 元和歌山市議 正司 武 73 諸新 政治団体代表
紀伊民報