<吉高由里子>「光る君へ」紫式部役で感じた「孤独」 真摯に向き合った「書」、終えて涙 「一番泣いたかも」
大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で、主人公のまひろ(紫式部)を演じてきた吉高由里子さん。ドラマは、最終回(第48回)「物語の先に」の放送を残すのみとなったが、長い撮影期間、真摯に向かい合い、練習する時間は「本当に孤独だった」という「書」への思いを語ってもらった。 【写真特集】密着どころじゃなかった? “廃邸”ラブシーンの一部始終!
「光る君へ」は63作目の大河ドラマ。平安時代中期の貴族社会が舞台で、のちに世界最古の女性による小説といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公。脚本を、2006年の「功名が辻」以来、2度目の大河ドラマ執筆となる大石静さんが手掛け、きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を映し出す。
第45回「はばたき」(11月24日放送)で「源氏物語」の執筆を終えたまひろ。同役を通して、利き手と逆の右手で筆を取る姿が随所に描かれてきたが、「それ(書)があってこの役だと思っていた」という吉高さんは、「セットで最後に書いた日は一番泣いたかもしれない、クランクアップの日よりも」と明かす。
「すごい孤独だったんですよ、書の練習って。(役の)感情の話でもないから、誰かと話し合えることでもないですし。みんなが書をやっているわけじゃないから、共感も少ないですし。ちょっとうまくいったという喜びも自分にしか分からない程度で、本当に孤独でした」
涙の理由は、書をやり終えたという安堵(あんど)感。
「でも上達していく自分を見つけたときは、いいお芝居をしたときよりもうれしかったりもした。自分がいまできる限りの、最大限を出したいと、自分の顔はどうでもいいから、字は美しくと思ったりもしたから、終わった瞬間は込みあげるものもありました」
NHKで“物を書く女性”を演じるのは、2014年度前期の連続テレビ小説「花子とアン」、2022年放送の特集ドラマ「風よ あらしよ」に続いて3度目となった吉高さん。「NHKさんは私を物書きにさせたがる、ずっと書いている。次は『もう書かないぞ』と言います(笑)」と冗談めかす。