食べすぎた、飲みすぎた翌日、カロリー解消のためにいきなり運動するのはNG!? 専門家がすすめる対応法とは
楽しく飲んで食べて騒いだ翌朝、カロリーオーバーを解消しようとランニングに出かける? ちょっと待って。健康に良いことをしているつもりでも、実際は身体を痛めつけているかもしれない。 スポーツ好きの人は飲み会の翌朝に「カロリー消費しなきゃ」と言いながらランニングに出かけたりする(それ以外の人は、なぜそんなに身体を酷使したがるのか、不思議に思うかもしれない)。その勇気は賞賛するが、身体のためになるかどうかは別問題。実のところ、飲みすぎた翌朝のスポーツはプラス効果よりもマイナス効果の方が大きいかもしれない。 アルコールを摂取すると体内で有害物質が生成される。そのため、身体は「自然に濾過してくれる腎臓や肝臓などを経由して毒素を排出しようとする」と、スポーツドクターで外傷専門医のジル・モンドローニは説明する。ところがその最中に運動してしまうと「身体をもとに戻そうとしている臓器の働きを妨げ、悪影響を及ぼすリスクがある」のだ。
腱鞘炎、肉離れのリスクも
アルコールには脱水作用があり、飲酒後は筋肉に必要な栄養がきちんと行きわたらない状態だ。「筋肉に通常どおりの栄養補給が行われない結果、腱鞘炎や肉離れのリスクが高まる」とジル・モンドローニは説明する。柔道や柔術のフランス代表チームのドクターを務めていたイヴ・エルヴエ・デ・フォルジュも、「このような状態の時は休養が必要だ。栄養が足りずに弱っていると、筋肉組織は損傷する危険性がある」と言う。 アルコール摂取後24時間は、脳内で痛みを感じる部位が正常に働かないことも知っておこう。その結果、頑張りすぎてしまい、「気付かないうちに自分の限界を超え、危険領域に達してしまう」とジル・モンドローニは警告する。 最後に、アルコール分が体内に残った状態で運動すると毒素の分解が遅れる。また、本来ならば糖質や脂質を栄養とするのにアルコールをエネルギー源としてしまう。「その結果、だるさが生じる可能性がある」とジル・モンドローニは言う。 では、どうしたらいい? ふたりの専門医の結論は、飲酒後のスポーツトレーニングは止めること。さらに「朝食は軽めにし、肝臓を守ってくれるタイム、シナモン、ローズマリーなどのハーブティーを飲む」ことをジル・モンドローニは勧める。どうしても身体を動かしたいなら、軽くウォーキングする程度にしておこう。
text: La Rédaction (madame.lefigaro.fr)