横浜DeNA牧秀悟はなぜ“ドラフト2位”指名だった?「よお2位で獲れたなぁ、あんなゴッツイの…」26年ぶり“日本一の主砲”がドラ1じゃなかったワケ
プロの発想「二塁手は遊撃手から探す」
ちょうど、その頃だったろうか。ある地方球場で聞いたスカウトのつぶやきが、今も耳に残る。 誰だか忘れてしまったが、ある高校生のセカンドを、私がすごく誉めていた時だ。 「果たして、セカンドの中からセカンドを探す必要があるのか、どうか」 今でもその傾向ははっきりとあるが、プロ側の発想は「二塁手は、遊撃手の中から探す」である。つまり、優秀な遊撃手ぐらいの能力がなければ、プロの二塁手はつとまらないということだ。 事実、広島・菊池涼介、阪神・中野拓夢……今のプロ野球のレギュラーセカンドは、ほぼ「ショート出身」であり、一軍のゲームに出場しているセカンドの中で、ショートの経験がないのはソフトバンク・広瀬隆太選手ぐらいではないか。 それほどに、アマチュア球界の「二塁手」に対するプロ側の評価は、選手個人に対してというよりは、ポジションに対して低いのであろう。二塁手イコール、肩が弱いのではないか、打てないのではないか。小柄で非力なのではないか。そんな固定観念のようなものが、野球界に浸透しているのも事実だろう。牧選手自身、中央大2年生まではレギュラーショートとしてプレーしていた。 阪神・森下翔太外野手は、中央大時代、牧秀悟選手の2年後輩にあたる。 ルーキーイヤーから日本シリーズで活躍し、2年目の今季、打率.275、16本塁打、73打点をマークして、タイガースのクリーンアップに定着した。 その森下選手が、大学4年の時、こんな話をしてくれた。 「自分、牧さんが師匠だと思っていましたので、牧さんが練習やめるまで、自分も練習やめませんでした。牧さん、とにかくバット振るんですよ。暗くなって、もうやめるかな……と思っても、まだやめない。だから、自分もやめられない。やっと終わって、寮に帰って、部屋でひと息ついていたら、牧さんがやって来て、『納得いかんから、もう一度やろう』って、また室内(練習場)に行ったこともありました」
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