タリバン、女性の医療学校の通学も認めず 国連は撤回求める
イスラム主義勢力タリバンが実権を握るアフガニスタンで、例外的に認められてきた女性の保健・医療学校への通学が、今月に入って認められなくなった。タリバン側は公式に発表していないが、国連は女性の人権がさらに抑圧されるとして、撤回を求めている。 【写真】児童婚や夫からの暴力被害について語るアフガニスタンの少女=2024年6月、石原孝撮影 現地メディアなどによると、タリバン暫定政権の保健省が2日、医療機関との会合で、女性の保健・医療関係の学校への通学を禁止するよう指示したという。 看護学校に通っていた女性(30)は今回の措置を受けて、「幸せへの道が閉ざされた。もはや未来を信じられない。友達も悲嘆にくれている」と取材に語った。 助産師としての勤務経験もあるが、より良い給料を求めて学校に通っていた。同級生の中には、大学で経済学などを学んでいたものの、タリバンが通学を禁止したため、医療系の学校に進学してきた女性もいるという。 国連アフガニスタン支援団(UNAMA)は4日、「正式な確認は取れていない」としたうえで、「(もし女性が通えなくなれば)アフガニスタンの保健医療制度と国の発展に有害な影響を与えるだろう」との見解を示した。
朝日新聞社