大阪発・52歳ではじめる『フジロック』は「出会い」の連続だった【現地参戦レポ】
7月26日~28日の3日間にわたって新潟県「苗場スキー場」で開催され、9.6万人来場と盛況に終わった音楽フェス『FUJI ROCK FESTIVAL’24』。 【写真】音と光とアートで移動中も楽しい 苗場で開催25回目のフジロックだが、「実はまだ行ったことないねん」と話すのは、「心斎橋パルコ」(大阪市中央区)のB2フロアにて、365日音楽パーティを続ける「TANK酒場/喫茶」のマスター、フルタニタカハルさん。 大阪のアート/カルチャーシーンを長年引っ張り続けるフルタニさんのふとした一言から始まった今企画。「遅咲きのデビュー戦」を見届けるべく同行取材がスタートした。 ■ 大阪から車で9時間、いざ前夜祭へ。 今年は、7月26日(金)~28日(日)の3日間に渡り開催されたフジロックだが、チーム・フルタニは前日の夜6時から開催される前夜祭に合わせ、朝8時に大阪市内を出発。名神→中央自動車道→長野自動車道と車を走らせ、片道9時間のロングドライブだ。 今回の初参戦の理由を尋ねると、「客商売してる身としては、7月の終わりは夏休みがあったり、稼ぎ時やからずっと行けなかった。何度となく人に誘われていたけれど、いつの間にか『自分は行かへんやろ』と思っていた。でも今年は心斎橋パルコでフジロックのプレ・イベントがあったり、観たいアーティストも多かった。知り合いも多く出演してるし、条件が揃った感じ」。 途中、越後湯沢駅にて、同じ宿をシェアする友人をピックアップし、宿に着いたのが夕方5時。薄曇りながら気温20度で夕暮れの心地よい風も。チェックインを済ませ、早速入場ゲートへ。
前夜祭出演のどぶろっくまでに…乾杯23回。
まずは前夜祭の会場のひとつである最大規模のフードエリア「オアシス」へ。ここからが長かった。「会場を一周回ってみたい」というフルタニさんについて歩けば、至るところで知人・友人に声を掛けられ、会場を一周回るまでに乾杯した人23組(!)。大阪の人気者はフジロックでも健在である。 「毎年行ってる子たちが、『じゃあフジロックで乾杯しようね』って約束する理由が分かった。非日常空間での乾杯はスペシャルやし、すでにめっちゃ楽しい」。 今年初出店の「メイクワンツー」や「WESTSIDE314」など、大阪組の飲食店への挨拶を済ませ、前夜祭ライブがおこなわれる「レッドマーキー」に着いたのが入場から1時間半後。 「レッドマーキーは映像しか見たことがなかったから、まず音のデカさにびっくり。都市型フェスにはよく行くけど、照明ひとつとっても、威力、迫力がすごい。最高峰のフェスって言われる理由を体感できた。 フジロックのことは、20年以上、色んな人から聞いてきたから知った気になってたし、頭でっかちになってる部分もあって。『答え合わせをしに来てる』感じがある。どぶろっくも面白かったけど、やっぱりマメちゃん(DJ MAMEZUKA/毎年前夜祭のDJを務める)は良かったね。初日すら始まってないけど、フジロックは俺の肌に合うわ(笑)」。