プロ投資家が「買う時に必ず考えること」とは? 知っておくべき損切の大切さ
買う時は「売ること」を想定する
「何となく欲しいから」と、感情でものを買うのではなく、価値をきちんと見極めようとすることで、価値以上の見返りを得ることができます。「自分ではなく周りの人は買うだろうか」という視点を持ってものを見ることは、衝動買い防止にもつながります。結果的に支出を減らすことにもつながっていきます。 お金の使い方で注意することは、買う段階で「売ること」を想定して買うということです。生鮮食品のように転売が難しいものは別ですが、洋服や時計のように転売できるものについては、最初から売ることを考えて購入するのです。たった1秒でいいので、意識してみてください。 残念ながら、買う段階から「売ること」を考えられる人はほとんどいません。買った時点で満足してしまうからです。 ではなぜこのように難しいことをあえてすすめるのかというと、「売ること」を意識しながら買う習慣をつけることで、自然とお金を大切に扱うようになるからです。 「今、目の前にあるものは、本当に自分が払おうとしているお金の価値に見合っているのか?」という視点が加わり、感情だけで行動しなくなるわけです。
大切なのは価値を見極めること
商品の価値が上がり、いざ売ろうとしたときに、買ったとき以上のお金が返ってくることがあります。投資でやっていることはまさにこれです。なるべく安いときに投資商品を買って、買ったとき以上の値段に上がったら売る。取引の仕組みとしてはまったく同じなのです。 もちろんすべての買い物がそうなるとは限りません。 しかし、ただ「安いから」とか「欲しいから」という考えだけでものを買わず、価値をきちんと見極めようとすることで、価値以上の見返りが得られます。この視点が加わると、ムダ遣いが減り、結果的には支出を減らすことにつながります。 投資商品を買う際も、売ることを想定していれば「日経平均が大台突破したから!」といった情報煽動で、高すぎる値段の株を買いたくなる衝動も抑えられるでしょう。 「まだ上がる」と思い続けて売り時を見極められず、結局株価が下がって"幻の含み益"で終わるのを防ぐことにもつながります。
角田和将(国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト)