プロ投資家が「買う時に必ず考えること」とは? 知っておくべき損切の大切さ
投資に100%の勝ちはないと心得る
野菜を育てたことがある人ならわかると思いますが、野菜の種をまくとき、たいていひとつの穴に3粒ほどまきます。そして芽が出てきたら、一番成長している芽を残して残りの芽を摘みます。これを「間引き」といいます。 投資もまったく同じです。すべての種(買った銘柄)が100%力強く芽を吹き出すわけではありません。100%勝ち続けることなどあり得ないのです。ですから安値だと思ったものはたくさん買って種をまき、力強く育たなかった芽は間引く必要があります。これが先ほど紹介した「損切り」という行為です。 「損切り」と聞くと、損という言葉からマイナスイメージを持つ人が多く、中には「なかなか損切りできない」という人もいます。しかし実際は、利益を大きく伸ばすための方法のひとつ。まさに損を切り捨てる行為です。 また、損切りに対してマイナスイメージを抱いている人に限って、先にお話ししたような大負けするパターンにはまってしまいがちです。損切りに抵抗があり行動できないうちに、そのままどんどん損失が膨らんでしまって大負けするという流れです。
理想は「小さい損失と小さい利益、たまに大きく利益が伸びる」
損切りは、事前に設定することができます(投資ではこれを「逆指値」といいます)。実際に安値で買う際に、どのくらい損失が出たら売るかを、あらかじめ設定しておくのです。買うときに損切りを同時に行うことができるので、最低ラインの価格を決めて、必ず設定しておきましょう。 同時に、逆指値まで損失がふくらむ前の段階でも、「もう明らかに損がふくらんで無理そう」となったときは、より早い段階で切り上げても構いません。損失は、早めに確定させたほうが小さく済む可能性が高いからです。 ただ判断が早すぎて損切りばかりやってしまうこともあり得るので、最初のうちは実際の資金を使わずに取引を体験できる「デモ取引」で、間引きの練習を必ずやることをおすすめします。 相場は永遠になくなりませんし、自分が資金さえきちんと確保していれば、いつでも取引はできます。「価格が大きく動くから」と、無理して取引する必要はありません。 小さい損失と小さい利益が交錯しながら、たまに大きく利益が伸びて資金が増えていく。そのような状況こそ、兼業投資家が無理なくお金を稼げるスタイルだと私は考えています。