「ジル サンダー」はカオスをノスタルジックに描く 「オニツカタイガー」から黄色が消えた!? 2025年春夏ミラノコレVol.2
この時、木村さんは「ボス(BOSS)」のインタビューでしたよね。コレクション含め、誰にどんな話を聞いたの?
「ボス」のビジネスパーソンは
「早く帰って、遊びに行きたい」
木村和花「WWDJAPAN」記者(以下、木村):私は2022年から「ボス」のクリエイティブチームを率いるマルコ・ファルチョーニ(Marco Falcioni)クリエイティブ・ディレクション兼シニア・ヴァイス・プレジデントに話を聞いてきました。ショー前のバックステージでは、モデルの最終フィッティングが行われたり、いろんなところで撮影があったりとバタバタです。とにかく道を開けたがる警備員に何度も追い出されそうになりました。
ショー開始ギリギリに現れたファルチョーニ氏は、「今回も昨シーズンの”アウト・オブ・オフィス”のテーマを継続し、忙しい日常生活から離れて、自分のための時間を過ごして欲しいというメッセージを込めた」と説明します。
コレクションは、ブランドの強みであるビジネススタイルをひねりながら、そのメッセージを表現しています。例えばジャケットは、ショルダーパッドや芯地をとりのぞき、リラックスしたシルエット。カラーパレットもライトブルーやアースブラウン、ホワイト、グリーンなど落ち着いた色味が中心です。「ビジネスシーンではあまりしない色合わせ」とのことです。 「ボス」とパートナーシップを結びデザインプロセスにも関わっているというデイヴィッド・ベッカム(David Beckham)との連携についても聞きたかったのですが、時間切れでした(泣)。
ショーでは、ボストンバッグの口がかばっと開いて今にも中身がこぼれ落ちそうだったり、スーツ姿なのに背中にはヨガマットやラケットを背負っていたり、オフィスを飛び出して急いで遊びに行くビジネスパーソンをユーモラスに演出していました。
日本では大谷選手効果もあって売れているのでしょうか?
村上:大谷選手効果はもちろんですが、ラグジュアリーに比べると手頃な価格でもあり、堅調だと思います。