ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪にロシア勢参加で坂本花織は「ワクワク」
【GPファイナル3位の悔しさを晴らす】 坂本花織(シスメックス)は、前戦のGPファイナルでは3位と悔しい思いをしたが、その悔しさを晴らすように全日本選手権は「さすが」と言いたくなる底力を見せた。 <写真>坂本花織、鍵山優真、島田麻央、佐藤駿...全日本フィギュア2024フォトギャラリー GPファイナル後の1週間は「山あり谷ありだった」と苦笑する。帰国直前には胃腸炎になり、帰国後は丸1日、完全にダウン。それでも、そこからなんとか回復していった。 「筋力も完全に落ちた状態からリスタートという感じで、最初に氷に乗った時はまったく踏ん張れず、1週間で大丈夫かなと思うくらいで。でもそれから体を作り直すことができたので、コンディションはファイナル前よりよくなりました」 坂本がそう話すように、大会前日の公式練習は動きにキレと軽やかさがあった。そして、12月20日のショートプログラム(SP)は、はつらつとした演技を見せた。 最初のダブルアクセルで高いGOE(出来ばえ点)を獲得し、GPファイナルでミスをした後半の3回転フリップ+3回転トーループも安定のジャンプ。他の要素も着実に加点を稼ぎ、78.92点と納得の結果にした。 「自己ベスト(2022年世界選手権の80.32点)にだんだん近づいてきているのはすごくうれしいし、それでも取りこぼしている部分もあって、まだのびしろがあるというのもすごくやりがいがあります」
【危なげない4連覇も「少し守りに」】 22日のフリーは、直前の島田麻央が合計を219.00点にしたあとの最終滑走。 「自分のなかで腹をくくって勝ちにいこうと思った時ほど成績がいいというのは、本当にいろんな大会を経験して気づけた部分。今回、ファイナルから全日本に向けた期間に、強気でいかなければと思い返すことができたのですごくよかったです」 その気持ちに揺るぎはなく、序盤のジャンプ3本は高い加点。だが、後半は「少し守りに入ってしまった」と反省する部分も。GPファイナルから後半に入れている3回転フリップ+3回転トーループで、フリップがオーバーターンになったあとトーループは2回転にした。 「(コンビネーションのトーループを)3回転にするか2回転にするかすごく迷いましたが、無理をしてそのあとの3回転ルッツと3回転ループに影響して、もし失敗してしまったら元も子もないなと考えてしまいました。そこがちょっと悔やまれるところかな」 それでも149.76点を獲得し、合計は228.68点と危なげない優勝。演技後に両手を握りしめたポーズは、「悔しいという気持ちだったので、ガッツポーズではないです」と坂本は苦笑しながら説明した。