三代大訓、丸田陽七太に6回終了TKOで完勝 地域2冠王者の元同門、宇津木秀との地域3冠戦を熱望 「僕は本当はやる気満々」
プロボクシングの日本ライト級タイトルマッチが7日、東京・後楽園ホールで行われた。王者の三代大訓(30)=横浜光=が、挑戦者で同級3位の丸田陽七太(27)=森岡=に6回終了TKO勝ち。丸田陣営がラウンド間に棄権し、三代は2度目の防衛に成功した。 元東洋太平洋スーパーフェザー級王者の三代が世界レベルの左ジャブで丸田に差し勝ち、全局面で上回った。幕切れは少しあっけなかったが、快勝に納得顔を見せた。 「ジャブで勝っていたんで、このままいけばいいかなって思ってたところだった。まあまあ良い感じです。ここからっていうところでした」 1回から得意の左ジャブでペースをつかみ、3回には左ジャブで丸田の顔を2度跳ね上げた。4回には丸田が左右のアッパーの連打で反撃したが、5回終了後の公開採点ではジャッジ3人が49-46で三代のリードとした。6回終了後のラウンド間に丸田陣営が棄権の意思を示し、レフェリーが試合を止めた。丸田は3回に右目と右拳を負傷していた。 4月に2度目の防衛を目指していた王者の仲里周磨(オキナワ)に3-0の10回判定勝ち。約6年6カ月ぶり再戦で返り討ちにし、新王者となった。8月に初防衛戦で宮本知彰(一力)に6回TKO勝ち。2021年12月の西谷和宏(VADY)戦以来、6戦ぶりのKO勝利を挙げた。 「僕も今30歳なんで、ボクシングキャリアもそんなにチンタラやってる場合じゃない」と日本ランカーで最強だと思っていた元日本フェザー級王者の丸田を挑戦者に指名した。「丸田くんは本当に強いっていうのが分かっていた。だから、丸田くんのおかげで危機感を持ってここまで練習することができて、結果、成長することができました。本当にありがとうございます」と対戦相手に感謝を示した。丸田対策として普段より少し後ろ重心で闘ったという。 島根・松江市出身。この日は高校生時代に通っていたシュガーナックルジム松江店と、2021年東京五輪女子フェザー級金メダルの入江聖奈(24)、22年アジア選手権女子52キロ級金メダルの木下鈴花(24)=クリエイティブサポート=を輩出した同米子店から計15人以上が応援に駆け付けた。さらに21年世界選手権ウエルター級金メダルの岡澤セオン(28)=INSPA=ら中大の後輩や同級生らも会場で応援。三代は「心強いっすよね。良い意味で勢いをつけさせてくれる。すごいっすよね。本当にありがたいです」と応援団にも感謝した。 東洋太平洋王座、WBOアジア・パシフィック王座との地域3冠を狙うと宣言しており、かつて所属していたワタナベジムの同学年のライバルで、地域2冠王者の宇津木秀(30)との対戦を熱望する。「統一戦をやるしかないと思っている。僕は本当はやる気満々なんで、いつでも組まれたら勝つつもりで準備します」。