黄色の雰囲気に飲まれず…シーズン通り甲子園で阪神打線を抑えたDeNA投手陣 苦心の6人継投でも勝てた裏側
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って CS特別編 ◇12日 「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファーストステージ第1戦 阪神1―3DeNA(甲子園) ◆DeNA・牧秀悟を出迎える三浦監督【写真】 満員札止めの甲子園。ここで黄色がへなへなとしおれるのを今季初めて見た。屈辱の10敗1分け。今季の中日は未勝利のままシーズンを終えたからだ。 DeNAはエース・東が故障で降板しながら、5回から8回までを4人でつなぎ、9回は1点を失いながらも森原が締めた。帰り際、僕の顔を見て足を止めてくれた京田はこう言った。 「珍しい勝ち方だと思います。ここでは打ち勝つしかないと思ってますから」 何をおっしゃる。数値を調べてみたら、決してそんなことはなかった。今季のDeNAは甲子園で4勝5敗。確かにチーム打率2割7分3厘はセ・リーグの本拠地では16本塁打を打ち込んだ神宮(2割8分3厘)に次いで高いが、得点は27にとどまっている。それ以上に素晴らしいのはチーム防御率2・30。同じくセ6球場ではバンテリンドームナゴヤの1・99に次いで低い。彼らは甲子園の雰囲気に飲まれることなく、阪神打線を抑えてきたのだ。 「(東のケガを)ブルペン陣でカバーできた。一丸となって戦えたと思います」 3番手で6回を抑えた佐々木は、現役ドラフトでロッテから移籍して1年目。レギュラーシーズンでは阪神戦に4試合投げて無失点だった。 「どこで言われても差されないよう、準備をしっかりやってきた」 佐々木からバトンを受け取った坂本も、1イニングを三者凡退。今季は防御率7・71と打ち込まれていた甲子園で、見事にやり返した。 「ブルペン全員にどんな場面でもいってもらうと前もって伝えていた。出た投手、出た投手がキチッと仕事をしてくれました」 三浦監督は苦心の6人継投を振り返った。今季の中日が甲子園で勝てなかった理由は分かっている。17得点、65失点。投打ともに残酷な数字といえるが、同じ阪神戦でもホームでは違うのだからやはり球場に要因があると考えていい。何度も書いているが、大事なのはなぜそうなったのかと、どうすれば改善できるのか。新体制が引き継いだ大きな宿題である。
中日スポーツ