メタバースを利用した不登校支援の授業――佐賀県立太良高等学校
佐賀県は2024年9月17日、メタバースを利用した不登校支援の取り組みを県立太良高等学校で行った。1年生の3クラスを対象に、通常の対面授業と同時双方向の遠隔授業を同時に実施した。 【写真】授業の様子 この取り組みは、文部科学省の「オンライン等を活用した効果的な学習の在り方に関する調査研究」事業の一環。不登校などで遠隔授業で受講する生徒と対面で受講する生徒が混在する場合の授業準備、指導方法、評価方法の工夫や課題などについて調査・研究する。 遠隔授業の場合、生徒は2次元のメタバース上でアバターとなって参加する。メタバースの教室や会議室に入ると、授業を受講したりお互いに映像や音声、チャットでやり取りしたりできる。教員は、教室の大型提示装置の画面をオンラインで映し出して授業を進める。 今回の取り組みについて同校の緒方康二校長は、「思ったよりもスムーズにバーチャル空間に入ってきて、普通の対面授業と同じような授業ができていた。英語などの科目では、オンラインの方が生徒の発言が増えていた。通常のオンライン授業と違ってバーチャル空間は生徒同士の会話ができることがメリット」と評価した。 2024年度は太良高校を実践校として取り組みを進める。「教育委員会としてはできればこれを横展開していきたい」(佐賀県教育委員会事務局 教育DX推進グループ 推進監 見浦浩徳氏)という。
中野 淳=技術プロダクツユニット