返礼品にステンレス製オブジェ 度会町ふるさと納税 三重
【度会郡】三重県の度会町はこのほど、町のふるさと納税返礼品にステンレス製オブジェ「創生の松」を加えた。同町棚橋の金属加工会社「大河内」が制作。見事な枝ぶりの松とともに梅の花や竹をモチーフにした土台を作り、縁起物の「松竹梅」をそろえた。寄付金額は10億円、返礼品金額は3億円。ふるさと納税サイト「ふるなび」で受け付けている。 創生の松は高さ2・5メートル、幅3・5メートル、奥行き2・5メートル、重さ1・5トン。同社のシンボルとして、山本真太朗社長(43)が父親の晴久専務(72)に依頼し、令和元年から制作を始めた。 晴久専務は60年以上、金属加工に携わり、本年度の県技能者表彰(優秀技能者の部)で知事表彰を受けた。これまでも多彩な自社ブランド製品を生み出しており、創生の松も今まで培った技術を生かして社員とともに作業に取り組み、約4年かけて完成させた。 一番苦労したのは松の葉で、ステンレスの針金を10万本以上使い、手にまめを作りながら一本ずつ手作業で捻りあげたという。晴久専務は「創生の松には会社の全ての技術が詰まっている」と笑顔を見せる。 完成後は同社に展示しているが、山本社長が「度会町をPRし、地域の呼び水になれば」と返礼品への出品を町に持ちかけた。 中村忠彦町長は「創生の松を通じて日本中に度会町を知ってもらえるとありがたい」、山本社長は「度会町が元気になり、製造業にも活気が出れば」と話していた。