地球近くに漂う潜在的に危険な大型小惑星は「従来推定より少ない」最新の観測結果
おうし座流星物質流を形成した親天体とは?
■おうし座流星物質流 地球防衛に関して天文学者が最も懸念しているのは、太陽の周りを公転する地球が毎年、太陽系内の巨大な物質の流れであるおうし座流星物質流を横切ってゆっくりと移動することだ。おうし座流星物質流には、約2万~3万年前に崩壊した「2P/エンケ」と呼ばれる幅100kmの小惑星か彗星の残骸が含まれており、残骸の一部は「キロメートル級」小惑星ではないかと考えられている。 「今回の研究結果から判断すると、流星物質流を最初に形成した親天体は、幅100kmの巨大天体というよりも、直径10kmに近いものだった可能性が高い」と、イェは指摘する。「それでもやはり小惑星衝突に警戒する必要がある一方、今回の結果を知れば、これまでよりもよく眠れるようになるだろう」 ■「ハロウィーンの火球」 おうし座流星物質流は、2つの年周流星群を発生させることで最もよく知られており、これらは完全に安全だ。おうし座南流星群は11月5日頃、おうし座北流星群は11月12日頃にそれぞれ極大となり、真夜中近くに1時間あたり約5個の「流れ星」が出現すると期待される。 どちらもピーク期間が長く、流れ星が10月末に高頻度で見られる可能性があるため、「ハロウィーンの火球」との愛称で呼ばれている。
Jamie Carter