“同性婚”発表の一ノ瀬文香さん「セクシャルマイノリティも結婚したい」
■同性結婚は「恋人」とは違う次元
――同性結婚が法律婚として認められない日本では法律上は他人ですが、恋人関係であることと、同性結婚の関係であることは何が違いますか? (同性結婚は)恋人とは違う次元です。ともに将来を歩んでいくということです。友達に「彼女」と紹介するのと、「妻」と紹介するのでは意味合いが違います。 ――同性カップルだと法律婚ができず、緊急時に救急車に乗ったり、病室に入ったりすることができないなど不都合なことがでてきます。そうしたことを避けるために、養子縁組をして、法的に家族になる場合もあります。そうした形をとらないのでしょうか? 養子縁組はしません。だって、もし同性婚ができるようになったら、またややこしいでしょ。姉妹になりたいわけでもないですし。海外では結婚登録をすることになっていますが、日本では戸籍制度があります。ただ、「イエ」のために個を犠牲にするのは好きじゃない。個々がそれぞれ尊重されなければならない。それが前提での「イエ」とか国とか社会とかだと思っています。 ――養子縁組しないとなると、関係を証明するために、公正証書は書いたりするんですか? (どこまで効力があるかは不明ですが)公正証書は書きます。また財布の中には、なにかあったときの緊急連絡先が書いてあるカードが入っています。(現在の法律で)できる範囲はやろうと思っています。でも、最終的には同性婚を認めてほしいです。その第一段階として、まずは公表することにしたんです。議論するきっかけになればいいな、と。 ――家族には伝えましたか? はい。お互いの家族には言っています。私の家族は、結婚式をするのも小さくて、2人でやるなら賛成と言っています。ただ、世間の目は気になるようです。私自身、レズビアンだからといっていじめにあったことがない。少なくとも、身体的被害や精神的な被害はありません。なので、どんな被害が両親にあるのかは分からない。