【高校野球】履正社が大阪を制し近畿大会へ 下馬評を覆した「大阪桐蔭対策」とは?
【森陽樹登板でも流れを変えられず】 履正社打線に5回8安打、4失点の大阪桐蔭先発の中野は試合後、こう振り返った。 「センター中心に返してきて、対策をしているのは感じました。僕の場合は、とくに変化球を狙われている感じだったのですが、低めにうまくコントロールできなくて、高めに入ったところを打たれたのが何本かありました」 また新チーム結成時は4番を任されたこともある中野は、打者目線で履正社投手陣を崩せなかった自チームの攻撃を振り返った。 「最近の桐蔭は、うまく変化球でずらしてくるボールを簡単に上げてしまったり、初球から引っかけてしまったりというのが多いので、その対応を夏が終わってからやっていて、いい感じにはなってきていたんです。この1週間も、バッティング練習ではサイドの投手を打ってイメージもつくってきました。でも、試合になるとまだそこを出せない。今日は相手投手の変化球が思ったよりよかったのもありましたけど、もっとタイミングの取り方だったり、スイングの軌道だったり、狙い球だったりを細かくやっていかないと」 低反発の新基準バットだからこそ、芯でとらえる率の高さが問われる。狙い球を絞り、引きつけ、コンパクトなスイング。大阪桐蔭の打者のスイングは強いが、タイミングを外されるなかで、芯でとらえる率は履正社より劣っていたのだろう。この試合に限れば、履正社が大阪桐蔭打線を上回っていた。 5回終了時で大阪桐蔭が1点差まで追い上げ、6回表からはプロ注目の森が登板。ここから流れが大阪桐蔭に傾くかと思ったが、そうはならなかった。ヒット2本に四死球、打撃妨害も絡んで2点を奪われると、野手も動揺したのか、二死満塁からの三塁ゴロが一塁悪送球となり、さらに二者が生還。この回一挙4失点で、試合の大勢は決した。 「相手先発は予想できる投手だったので、この1週間、しっかり対策を立ててやってきましたが、うまくいきませんでした。ピッチャーの中野も森も順調と報告は受けていて、ボール自体は悪くなかったと思いますがまだまだです。近畿大会まで1週間、しっかりやることをやって臨みたいと思います」(大阪桐蔭・西谷浩一監督)