「これからはSIそのものがAIによって代替される」--IIJ鈴木会長が予見
生成AIを冷ややかに見ていた鈴木氏の思考に変化? ただ、鈴木氏は8月の決算会見時の質疑応答で、「生成AIについてどう見ているか」と聞いた筆者の質問に対して、次のように答えていた。 「私自身は生成AIについて冷ややかに見ているところもある。普通の人間ができることは生成AIでもっとスピーディーに代替できるようになるかもしれないが、現時点でその処理ロジックはこれまでと変わらず、そこから何か新しいアイデアが出てくるわけではない。もちろん、普通の人間ができることをスピーディーに代替できるだけでもインパクトは大きいが、現時点でできることを冷静に見極める必要がある。私は、生成AIで新しいことができるようになるのはもう少し先だと見ている。IIJとしてもそうした技術開発に取り組み、いち早く事業化につなげていけるように努力したい」 ちなみに上記の発言は、本サイトでの筆者のもう1つの連載記事「今週の明言」の8月23日掲載「IT業界の『ご意見番』IIJ鈴木会長は『生成AI』についてどう見ているのか」から抜粋したものである。 今回のSIがAIによって根本的に変わるような話からすると、上記の発言はカムフラージュのようにも聞こえるが、改めて読み返すと「スピーディー」がキーワードだったようにも感じる。果たして8月から3カ月ほどの間に、鈴木氏の思考に何らかの変化があったのか…。 いずれにしても、今回の「SIはAIによって代替される」との鈴木氏の予見は、ITサービス事業者にとって業態転換につながる話だけにインパクトは大きい。 ただ、残念だったのは、同氏が今回の予見を述べたのが、会見で質疑応答を終えた後だったので、質問の機会がなかったことだ。「クラウドサービスとはどういう位置付けになるのか」「SIをAIで代替するとはプロジェクト管理を自動化することではないのか」「ビジネスモデルはどうなるのか」など、機会があればぜひとも聞いてみたい。