ブレーメンの素敵すぎる公共施設&街なかのサステナブル・スポット
「ブレーメンの音楽隊」で知られるブレーメンは、ドイツ北西部に位置する歴史的な都市。豊かな文化遺産と現代的な都市機能が融合しているこの街は、環境先進国ドイツのなかでも気候変動に対して積極的に取り組んでいます。街の中心部にいながら自然のなかでリラックスできたり、堤防沿いをサイクリングしたりと、日常の生活で自然を感じられるのも大きなポイント。トラベルライターの鈴木博美さんが同市のサステナブルなスポットを案内します。
まるで森のような公園「ビュルガー パーク」
ブレーメン駅の北口から500mほどのところに広がるビュルガーパークは、19世紀後半に市民の手でつくられた公園。中心部にありながら、東京ドーム約43個分もの広大な敷地を誇っている。 19世紀に急速に発展したブレーメンの市内には城や森林地帯がなく、憩いの場となる緑地が少なかった。そこで市民が資金を出し合って、公園を建設したのだという。1871年の完成以来、150年以上にわたって市民に愛され続けている。公園の管理運営は、ブレーメン市民組織がおこなう。ボランティアや寄付によって、公園が維持、管理されているのだ。
園内を歩いてみると、200ヘクタールの敷地には美しい森林や大きな古木、広々とした芝生、池、小川、小さな動物園などがあった。リスなどの野生動物にも遭遇し、ここが市の真ん中だということを忘れてしまう。敷地内をくねくねと道が伸びていて、人びとは散歩やジョギングをしたり、小川や湖でボート遊びをしたり、思い思いに楽しんでいる。伝統的なビアガーデンやカフェもあり、訪れる人々にくつろぎの時間を提供。建物や案内板から公園の歴史が学べると同時に、ドイツ人の森への深い愛情を知れる。
川沿いの心地よい自転車道
市街地の脇には、北海へ続くヴェーザー川に船舶が何隻も係留されており、中世のハンザ同盟から続く海洋交易の面影をいまに残している。川沿いの遊歩道は、広々としていてとても気持ちがいい。この遊歩道は、ドイツ中部からヴェーザー川に沿って伸びる総延長500km超の自転車道「Weser-Radweg」の一部。東京から大阪までとほぼ同じ距離を、自転車道で結んでいるのだ。