年収の壁、超えたらどうなる? 短時間労働者が手取りを減らさない方法とは?
パートなど短時間労働者の方々には、夫など生計維持者の扶養の範囲内で働けるように、年収額を調整している人も多いでしょう。この年収額は、「106万円の壁」や「130万円の壁」など、いわゆる「年収の壁」と呼ばれています。もし「年収の壁」をうっかり超えてしまった場合、夫の扶養から外れ、自分で社会保険料を納めなければなりません。 ただし、場合によってはこの壁を超えてしまっても、社会保険料を納めなくてもよいケースがあります。今回は、年収の壁を超えても社会保険が適用されないケースについて紹介します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
年収の壁をおさらい
まずは、「年収の壁」についておさらいしていきます。妻がパートなどの短時間労働者として働いている場合、年収が一定以上になると、妻は夫の扶養から外れて、自分で健康保険料などの社会保険料を納める必要があります。 この扶養から外れる基準が、「年収の壁」と呼ばれているものです。社会保険料においてポイントとなるのは「106万円の壁」と「130万円の壁」です。 <106万円の壁> 1. 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等 2. 週の勤務時間が20時間以上 3. 継続して2ヶ月を超えて働くことが見込まれる 4. 賃金の月額が8万8000円以上(年収106万円以上) 上記の方が、社会保険の加入対象となっています(学生を除く)。 <130万円の壁> 企業の従業員数にかかわらず、全ての労働者が社会保険に加入しなければならない基準の年収が、「130万円の壁」です。
106万円の壁を超えた場合
年収が106万円を超えても、企業によっては手取り金額が減らない場合があります。 現在、国は労働市場の人手不足に対応するため、短時間労働者に対し、年収の壁を超えて働くことを推進しています。その一環として「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」を実施しており、106万円の壁を超えて働いた場合、政府が企業に対して、労働者1人当たり最大50万円の支援を行います。 年収の壁を超えて働いた場合、労働者は社会保険料を自分で納めなければなりません。しかし、この助成金を受けている企業は、社会保険料の分を企業が補うなどの支援を行ってくれるので、手取りの金額は減らない可能性があります。 自分が働いている企業が、キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)の対象かどうか、確認してみましょう。