年商数億円の人材派遣業を辞め『ザ・ノンフィクション』で話題の結婚相談所社長「鯛の尾より鰯の頭になれ」と父に叩き込まれ
実際に私は10代のころから周りの男女を引き合わせていて、彼らが交際して結婚することも数多くあったんです。「彼氏がいなくて」なんて話を聞けば、「じゃあ私の友だちを紹介するよ」と言ったりして、30組は結婚したと思います。それによくよく考えてみたら、うちの母も父が会社経営者だったので、その従業員を何十人も結婚させているんです。「ああいうのがいまはビジネスとして成り立つんだ」と知り、翌日から結婚相談業に乗り出しました。
■父の教えは「どんな規模でもいいからトップになれ」 ── 決断の速さに驚きです。まったくの異業種ですが、不安はなかったですか? 植草さん:経営者として先を読む目を養うよう親に教育されてきたので、サバイバルがもう身についちゃっているんですよね。私の両親はともに経営者。生まれたときから「鯛の尾より鰯の頭になれ」と言われ、ライオンの教育のように叩き込まれてきました。たとえば、泳ぎを覚えるときもそう。父は子どもたちをボーンと海に投げるから、私たちは溺れないように必死になって泳ぐ。6、7歳のときです。そういう教育でした。私は4人きょうだいですけど、みんな経営者になりました。姉はクラシックバレエの先生で教室を3つ持っていて、兄は建築業で弟は開業医と、みんな全然ジャンルは違う。それぞれの特性を生かした仕事に就いています。
父は口だけではなく、こういう事業がやりたいと言うと、実際に援助もしてくれました。私も開業するとき「2000万円貸してください」と言ったらポンと出してくれて、それを3年で返しました。 ── 2009年に結婚相談所マリーミーを設立。表参道の一等地にオフィスを構え、80%という驚異の成婚率で名を馳せています。 植草さん:これまで1200組以上のカップルをご成婚に導いてきました。これだけの数になるとやはり必勝法が見えてきます。この人だったらこの人が合うだろう、お見合いして、6回デートして、真剣交際で成婚だな、という流れがすぐに浮かんでくる。それが成婚率の秘けつでしょうか。