ぐずる子どもへの対応は何が正解か 注目の子育て法を学ぶペアレントトレーニングのポイントは「とにかくほめること」だった!
あえて反応しないことも方法
他にも、視覚的な工夫を行うことでできることを増やし自立を促す「環境調整」や、子供がかんしゃくを起こすといった行動をした場合に、あえて反応しない時間を作り、子供の自発的な行動を待つ「選択的無視」もひとつの方法とされている。 自身も4歳の息子を持つ徳永さんが実践し、自立を促したある方法がある。それが「トークンシステム」だ。 徳永さんが考えたのは、息子が保育園で支度をする際に動作の流れが一目でわかるようなイラスト表で、「自分の靴を靴箱にしまって、靴下を入れて水筒をかけて、歯磨きコップを置いて洋服をしまって、リュックをかけたらハグができる」というものだ。この一連の流れを1回できたらマルをつけていき、それが10回できれば本人が好きなおもちゃをもらえる仕組みだ。 子供の特性や好きな物にあわせた目標を設定し、達成すると「ごほうび」がもらえる「トークンシステム」で、子供は何をしたらいいかが明確になり、達成感を得られるように設計されている。 徳永さんによると「これを20回やったら定着した。今ごほうびなしで朝の準備をしている。トークン表で習慣化させると後は自立しやすくなる。一生ごほうびがないとダメかというとそんなことはない。重要なのは、ごほうびがなくてもしっかりほめ続けること」 だという。
ごほうびシステムの「落とし穴」
しかし、「ごほうびシステム」にも「落とし穴」がある。なかなかお風呂に入ろうとしない娘をその気にさせるため、おもちゃで引きつけることに成功した保護者だったが新たな悩みが出てきた。 4歳の娘はお風呂に入る際おもちゃがない時に、「今日は楽しいことないの?」とおもちゃを要求してくるようになったという。保護者は、ごほうびがないと動かないようにならないかと心配になり、とまどいを隠せなかったという。 この子供の行動に対して、徳永さんは親が気を付けなければいけない点があると話す。 作業療法士 徳永瑛子さん: よくあるのが、ぐずったからこれを出すのはダメ。「ぐずればごほうびが出る」になってしまう。「これをあげるから頑張りなさい」を提示するのはOK。でも子供はぐずっていない、要求していないのがポイント。全ての決定権は親。ここが逆転してしまうともらえないんだったらしませんよ、となる。