「ヴィレヴァンはいつでも君の味方だよ」大幅赤字と店舗閉鎖で窮地のサブカル聖地、全店舗をまわる愛好者が語る「人生を救ってくれた居場所」への思い
ヴィレヴァンに「人生」を肯定された人たち
ネットもSNSもなく、少数派が容易に繋がれなかった時代。ヴィレ全さんのように、メジャーなものに興味がなくてもいいんだ! ここには自分と同じくマニアックなものを好きな人がいるんだ!ということが実感できるVVという存在に、自分の思春期や人生を肯定された人は少なくない。 「ヴィレヴァンはいつでも君の味方だよ」という店員さんからのメッセージや、「子どもの頃に救われた、肯定された記憶がある限り応援し続ける」という、ヴィレ全さんの投稿に対する多くの反響は、まさにそれを象徴するものと言えるだろう。 「あの投稿が思ったよりも拡散され、同じように考えている方たちがたくさん見てくださり、ものすごく感動しました。本来僕のアカウントは、VVの店員さんの店舗運用に向けたものであるべきなので、あまり自分を出すのはよろしくないのですが、あの時だけは私的な喜びを感じましたね。仲間がいたんだ!って」(ヴィレヴァン全店まわるひとさん)
モール内の店舗にも、それぞれの個性や面白さが
ヴィレ全さんに伺ったところ、「仕事で全国を移動する合間に、再び訪れてみようと思い立ったこと」に加え、路面店が減少し、モールへの出店が増えたことでサブカル度が薄れた…といった批判の声が多くなったことも、VVの全店をまわるきっかけになったという。 「全国の店舗をまわって店員さんたちと話していると、どうも売り上げがあまり良くない、雇用条件も悪くなっている、ネット上ではかつてのVVへの郷愁と現在のVVへの批判などが増えている、といった声を耳にしまして……。でも実際は、店舗それぞれ個性が違って、面白い点がたくさんあります。 何よりも、子どもの頃にいろんなサブカルチャーに触れるきっかけとなった店なので、自分に何か出来る義理の果たし方はないか?と思い立ったことが大きいですね。VVで出会ったいろんなサブカルチャーによって僕のアイデンティティは育まれましたし、同じような人たちはたくさんいたはず。文化的育成の場となってくれた母校への恩返し的な感じ、でしょうか」(ヴィレヴァン全店まわるひとさん)