【注目ドライバー】8度優勝のベテラン、ダニエル・リカルド…アルファタウリ後継チームでの目標は完全復活アピール|RB|F1
レッドブルで5シーズン戦い、その後、ルノー、マクラーレンでそれぞれ2季戦ったリカルド。2023年はレッドブルのリザーブだったが、シーズン途中からアルファタウリへと加わることに。2024年はチーム名がアルファタウリからビザ・キャッシュアップRBとなり、浮上できるのか注目だ。
母国を離れヨーロッパで武者修行
イタリア系移民の子としてオーストラリア西部のパースで生まれ、9歳からカートで腕を磨いたダニエル・リカルドは、2006年に活動の拠点をヨーロッパに移し、本格的にF1を目指して挑戦を始めた。 2006年以降はフォーミュラ・BMWやフォーミュラ・ルノーを舞台に経験を積んだリカルドは、2008年からレッドブル・ジュニアチームに加わり、一気にF1への距離を縮めた。すると翌2009年にはイギリスF3を大差で制し、その活躍が認められ2010年からトロ・ロッソのテストドライバーを務めることになった。 トロ・ロッソのテストドライバーとしての活動とともにフォーミュラ・ルノー3.5 シリーズでもレースを続けていた2011年に、F1デビューのチャンスが訪れる。レッドブルがHRTのシートを買い上げる形で、リカルドに出走機会が与えられたのである。第9戦イギリスGPでデビューを果たし、シーズン後半にはチームメイト(ヴィタントニオ・リウッツィ)に引けを取らない速さを披露した。
トロ・ロッソからレッドブルへ
2012年はシーズン開幕からトロ・ロッソのドライバーとして参戦。翌2013年も同様に中位ながら安定した走りで評価を高めたリカルドは、2013年限りで引退した同郷のマーク・ウェバーの後任として、ついにレッドブルのシートを獲得した。 競争力のあるマシンを手に入れた2014年に、ついにF1初優勝の瞬間が訪れた。第7戦のカナダGPで予選6番手からスタートしたリカルドは、ブレーキトラブルを抱えながらもコース上でライバルたちを抜き去り、見事トップチェッカーを受けた。 その後の第11戦ハンガリーGP・第12戦ベルギーGPは連勝して、シーズン3勝・表彰台8回というキャリアハイの成績を残した。また、チームのエースであったセバスチャン・ベッテルを上回るリザルトを残したことで、その才能は誰もが認めるところとなった。 翌2015年は未勝利に終わったものの、2016年には、21戦中20戦入賞・全戦完走という非常に安定したパフォーマンスでチームをけん引し、第5戦からチームメイトになった伸び盛りのマックス・フェルスタッペンとのコンビで、第16戦マレーシアGPでは1-2フィニッシュを達成。自身は2度目のランキング3位に入った。 また、第12戦ドイツGPの表彰台では、自らの靴にシャンパンを注いで飲むという「シューイ」というオーストラリアの祝い方を披露。プレゼンターや他のドライバーも巻き込み、ちょっとしたブームにもなった。