タブーとらわれず読者目線 特ダネ追い続けた半世紀 葛藤の中「扇情主義」に一線 夕刊フジプレイバック
■関西の売れ筋は「ヤクザ」物
創刊前の計画では「東京」だけの発行だったが、予想外に売れた?ため半年後の昭和44年9月1日に大阪夕刊フジが創刊した。
大阪(関西)で売れたのは、50年代末から激しくなった暴力団同士の抗争事件である。
「大阪には東京にはない《夕刊紙文化》があるんです。昔から夕刊紙も多い。大阪新聞、大阪日日、新大阪、大阪スポーツそして夕刊フジ。読者も目が肥えている。大阪人にとって暴力団の抗争は分かりやすい。やられたらやり返す。きょうはどないなった?と劇場で映画を見るように抗争劇を見てたんですね」
抗争事件の取材にも携わり、編集部長として活躍した森康成はこう分析した。
大阪の夕刊紙の定番は吉本、阪神、プロレス、暴力団…。「ロス疑惑」より「山一抗争」というわけだ。(田所龍一)