『ONE PIECE』コラボも果たした「ほぼ日手帳」 日々噛み締める「キーパーソンになれ」の言葉
全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2024年5月20日号には、ほぼ日の「ほぼ日手帳」商品企画・デザイナー兼チームリーダー星野槙子さんが登場した。 【写真特集】大物がズラリ!AERA表紙はこちら * * * 「ほぼ日手帳」では、手帳や文房具などの新商品を年間200アイテム以上発売している。その核となる商品企画およびチームリーダーを務める。 初めて主担当として企画したのが、5年分の記録を1冊に残すことができる「ほぼ日5年手帳」だ。きっかけは、30歳を迎える節目に、10年日記をつけたいと思ったが、買うタイミングを逃した。その時、社内で新商品のコンペが開催され、「自分で企画すればいいんだ」と提案し、採択された。 すでに10年日記を使っている人や、様々な人にヒアリングし、企画に生かした。 5年という期間は、「10年よりも気軽で、いろんな可能性がある時間」と、チームで決めた。 表紙は、小学生の時に母が買ってくれた国語辞典からヒントを得た。手に馴染む素材で、何年も使って汚れても、愛着が生まれる存在感を求めた。 「誰かのお守りやきっかけになるものを作りたい」。履歴書に書いた思いを実現するために夢中で取り組み、結果、2017年の発売以来、人気商品に。「初年度に購入してくれたお客様が、6年目に新たに買い求めてくれたことが嬉しかった」 人気漫画『ONE PIECE』と「ほぼ日手帳」のコラボ企画がもちあがったとき、「どうしたらファンにびっくりしてもらえるか」を考えた。 キャラクターの誕生日や言葉を1日1ページに毎日掲載したり、原作の絵を生かした関連商品を充実させたりと、楽しんでもらえるような色々な仕掛けを織り込み、大ヒットとなった。
企画するのは手帳だけではない。手帳を楽しく使うためのカバーや文房具など様々だ。商品紹介をインスタグラムで配信するなど、プロモーションにも力を入れる。 新卒で入った会社の社長から“キーパーソン”になれと言われた。主人公ではなく、その場の流れがうまくいくように尽力できる人になれということだ。この言葉を日々噛み締めている。 チームリーダーとして、会社の歴史を受け継ぎ、より成長していくために試行錯誤している。 「これからも、たくさんの人に喜んでもらえる商品を、メンバーと共に力一杯作り続けていきたい」 (ライター・米澤伸子) ※AERA 2024年5月20日号
米澤伸子