テレ東局員、漫画家、母…真船佳奈が語る初めての育児「ワンオペ、発熱連発…マジで子育てナメてた」
――自治体にそんな補助があるんですね。 楽をするためには、最初に苦労をするのが大事だな、と私は思っていて。そういう情報って調べたり申し込んだりするのは大変ですし、もう少しママたちが気軽に使えるようになったらいいのに……、と思わなくもないですが……一度使いだせば、すごく楽になったりします。 ベビーシッターさんに関しても、定期で来てくれる方を見つけるために3つぐらいのサイトを使ってみたり、何人も面接したりして大変でした。でも、ベビーシッターさんって相性もあるし、毎回違う人が迎えに来ると説明も大変だったり、子どもも泣いたりするので、子どもにとっても私にとっても安心できる人を見つけたくて。やっといい人が見つかって、今はとても楽になりましたね。 一時期、家事をすごく頑張っていた時期もあったんですが、そんな時に子どもがワーッと泣いたりすると、子どもに「邪魔された」と思ってしまうんです。タスクを抱えるほど、それを達成しようとしてしまう。そうなると子どもがやったことの結果だけ見て、たとえば「飲み物をこぼした」って怒ってしまう。でも実はその飲み物がおいしいから、私に一口あげようとしてくれてたかもしれないじゃないですか。忙しさによって、子どもの見え方が変わってしまうことにすごく恐怖を感じたんです。 ■自分が好きな自分でいるからこそ、子育ても楽しい ――自分に余裕がないと、子どもにも優しくできない、ということですね。 だから、私は「自分が好きな状態の自分でいられるか」を一番大事にしているんです。そのためにベビーシッターさんにお願いしたりもしているんです。 子どもはいま「なんでもママ」な時期なので、私と一日中いたいと思っている。子どものことを一番に考えたら、もしかしたら保育園にも行かずに、365日ずっと一緒にいるほうが子どもは幸せかもしれない。でも、私のほうが幸せじゃないんですよね。で、そんな風に感じている私といることは、息子にとってもベストではないと思うんです。 いろんなタイプのお母さんがいて、子どもともっと一緒にいたい、それが楽しいという人もいると思いますが、私はそうじゃなかった。そして、やっぱり漫画を描いている自分がいちばん好きな自分なんですよね。漫画を描いたあとに子どもと向き合うと、育児がとても楽しく感じるし、子どももかわいい。少ない時間かもしれないけど、家で子どもと一緒にいる時間は最高だな、幸せだなって感じられています。 みんながそれぞれ好きなことをやりつつ、家族で一緒にいられる時間は家族の時間を大事にする。それで家族ってうまくいくのかなというのが、今の持論です。 ○真船佳奈/テレビマン兼漫画家。2012年、テレビ東京に入社。2017年、AD時代の経験談をまとめた『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)で漫画家デビュー。現在はテレビ東京のプロモーション部で働きながら、漫画家としても活動。2022年に第一子を出産し、『令和妊婦、孤高のさけび! 頼りになるのはスマホだけ?!』(オーバーラップ)を出版。
稲垣飛カ里