米決算シーズン到来で注目の5つのテーマ、潤沢な現金や利益率改善
予想の上方修正
アナリストたちは、ヘルスケアや公益事業などこれまで注目されなかった業種の業績予想について、下方修正よりも上方修正するペースの方が速い。
潤沢なキャッシュ
企業の現金およびフリーキャッシュフローは記録的な高水準にあり、株主への配当や事業拡大への投資など、米大企業の資本配分が回復の兆しを見せている。
利益率改善
収益性の重要な指標で、これまで各企業の株価の方向性を示すシグナルとなってきた営業利益率に、トレーダーらは注目するだろう。
企業のコスト削減が利益を押し上げ、また想定を超える人工知能(AI)ブームもあり、消費者物価と生産者物価の上昇率の差はこの1年で大幅に縮小。BIがまとめたデータによると、1-3月期の営業利益率を15%と、アナリストは現在予想している。
セクターごと
トレーダーは今回の決算シーズンに株価が一致した動きを見せるとは予想していない。ブルームバーグのデータによると、S&P500種のセクターごとにインフレ見通しが異なるため、構成銘柄の1カ月間の予想相関関係を示す指標は18年以降で最低の水準近くで推移している。数値の1は構成銘柄が足並みをそろえて動くことを意味するが、現在は0.16。
S&P500の11グループのうち、通信サービス、テクノロジー、公益事業の3つは20%以上の利益増が見込まれる一方、エネルギー、素材、ヘルスケア企業は利益減の公算が大きい。
フォート・ピット・キャピタル・グループのダン・アイ最高投資責任者(CIO)によれば、一般に信じられているのとは逆で適度なインフレは成長、貸し出し、借り入れを促進するため、これまで広く収益にとって良いことだった。「収益は名目ベースのため、多少のインフレは企業利益にとって悪いことではない。株式市場は、1-3月期の大幅な上昇からすると、間違いなくそれを嗅ぎ取った」と同氏は指摘した。
原題:Five Themes for Traders to Watch as Earnings Season Kicks Off(抜粋)