セガ・マークIIIが発売された日。『ファンタシースター』や体感アーケードゲームの移植作が大きな魅力の、後方互換性も備えたファミコンのライバル機【今日は何の日?】
※本記事は、2023年10月20日にアップした記事を再編集したものです。 カラフルな色彩でラインアップを拡充 【記事の画像(7枚)を見る】 いまから39年前の1985年(昭和60年)10月20日は、据え置き型ゲーム機のセガ・マークIIIが発売された日。 セガ・マークIIIは、セガから発売された据え置き型ゲーム機のひとつ。独自に開発したカスタムチップを搭載することで、前世代機であるSG-1000やSG-1000II(前者のリファイン版)、SC-3000(SG-1000と互換性のあるホームPC)よりもグラフィック機能を大幅に強化。表示できる色数やスプライトが増加し、当時としてはかなりカラフルで美しい画面を作り出すことができた。 本体にはロムカートリッジのほか、セガ・マイカードと呼ばれるカード型ソフトの差込口が付いているのが大きな特徴。セガ・マイカードで発売されていたSC/SGシリーズのタイトルでも遊べる互換性があったので、当時のユーザーにはなかなか重宝されたのではないだろうか。セガ・マークIII用ソフトも当初はセガ・マイカードで発売されていたが、容量が少なかったために次第にロムカートリッジへと移行していった模様。 セガ・マイカード セガ・マークIIIの魅力は何と言ってもソフトラインアップ。1985年前後はすでにファミコンが隆盛を極める時期だったと思うが、筆者のようなゲームキッズには本機は相当に魅力的なマシンに映ったものだった。理由は当然、セガのアーケードゲームの移植作がバンバン発売されていたからだ。 当時のゲームセンターはセガのゲームが圧倒的な存在感を放っていて、中でも体感ゲームシリーズは憧れの的。『スペースハリアー』や『アフターバーナー』、『アウトラン』などは大きなお兄さんたちが占拠していたりもしたので、なかなかに近寄りがたく、思うように遊べなかったせいもある(笑)。 そんなタイトルを本機では思う存分にプレイできたのだから、欲しくならないわけがなかった。ほかにも『ファンタジーゾーン』、『忍 -SHINOBI-』、『青春スキャンダル』など、人気移植タイトルが多数登場。『ファイナルバブルボブル』を始めとするセガ以外の移植作にも魅せられた。 『スペースハリアー』 『青春スキャンダル』 オリジナルタイトルも粒ぞろいで、『アレックスキッドのミラクルワールド』や『ファンタジーゾーンII オパオパの涙』、『北斗の拳』といったタイトルが真っ先に思い浮かぶ。とくに『北斗の拳』はクオリティーが非常に高かったので多くの注目を集めていた。 現在も続く人気シリーズ『ファンタシースター』の初代作品もセガ・マークIIIで誕生。3Dダンジョン内でのヌルヌル動くアニメ処理は、当時凄まじいほどの衝撃を受けたものだった。こちらはFM音源にも対応したタイトルでもあったので、周辺機器の“FMサウンドユニット”を接続すればBGMも素晴らしいものに様変わりしてくれた。 『アレックスキッドのミラクルワールド』 『ファンタシースター』 ユニークな周辺機器はほかにもいくつかあるが、便利そうなのは“テレコンパック”。この機器は送受信機に分かれていて、セガ・マークIII本体に送信機を、テレビに受信機を接続することによって、本体をワイヤレス化。UHF波を利用して、無線でテレビにゲーム画面を出力できた。本体とモニターを繋ぐコードは現代でも地味に煩わしかったりするので、なかなか時代の先をいく感のある周辺機器だった模様。 1987年10月18日には、マスターシステムが発売。これはもともとセガ・マークIIIの海外向け仕様の本体だったものに、FMサウンドユニットや連射機能などの機能を追加したマシン。本体カラーもブラックになり、未来っぽいデザインがイカしていた。筆者は所持していなかったので見たことはないのだが、ソフトを挿さずに電源を入れると『スペースハリアー』の音楽をバックにデモが流れるらしい。