AI業界で進む統合

XetHubのチームの多くはアップルの出身者だ。ローは、2016年に自身が立ち上げたAIレコメンデーションのプラットフォームTuriを1億8500万ドルでアップルに売却し、同社に参加した。彼はアップルでストレージとデータ管理に取り組みながら、機械学習プラットフォームの構築の手助けをした。その5年後、XetHubを設立するために彼は会社を去った。 ■ビックテックを牽制するための独立したプレイヤーを必要だ ハギングフェイスによるXetHubの買収は、AI業界における統合が進む中で行われた。先週は、Character AI（キャラクターAI）がグーグルとのライセンス契約を発表し、創業者のノーム・シャゼールとダニエル・デ・フレイタスはグーグルに移籍した。ここ数カ月で他の著名なAI企業のInflection（インフレクション）やAdept（アデプト）も、それぞれマイクロソフトやアマゾンと類似した取引を行った。 ドランジェは、昨年末に「これから誇大宣伝されたAI企業が破産したり、驚くほど安い価格で買収されたりするだろう」と予測していた。「それは、この分野の成熟化が進んだことを示すサインだ」と彼は述べている。 一方で、ドランジェは、AI業界には、ビックテックを牽制するための独立したプレイヤーを必要だと主張している。彼は、XetHubの買収がそれに対抗するための1つの方法だと考えており、最先端のオープンソースモデルを用いたより良い協力体制を可能にしようとしている。XetHubは、個々の開発者や研究者がハギングフェイス上で1兆パラメータ以上の大規模モデルを構築することを可能にするが、これは、OpenAIのGPTやグーグルのGeminiと同等の規模だという。 他のAIユニコーンがビジネス面で苦戦する中、ドランジェは、ハギングフェイスが黒字化を果たしていることを誇りに思っていると語り、同社の小規模なチーム（XetHubの買収により約16人が加わり、現在は250人）が、有料のエンタープライズツールで成功を収めたと述べたが、収益は明らかにしていない。 「これはAIスタートアップとしては非常に珍しいことだ」と彼は語り、他のライバルが巨額の資金を燃やしているのとは対照的だと述べた。「私たちは、AI分野において持続可能で利益を上げるビジネスモデルが実現可能であことを証明した」と彼は語った。