小学生が喉に詰まらせ死亡…学校給食での提供見合わせ続く『うずら卵』全国有数の産地でピンチ脱却への取り組み
福岡県で2024年2月に起きた誤嚥事故を発端に「うずら卵」の学校給食での使用見合わせが続いている。うずら卵の全国有数の産地、愛知県豊橋市では行政も民間もうずら卵のピンチを救おうと新しい取り組みが進められていた。また、名古屋の食品メーカーなどでも新しい食べ方を模索している。 【動画で見る】小学生が喉に詰まらせ死亡…学校給食での提供見合わせ続く『うずら卵』全国有数の産地でピンチ脱却への取り組み
■子供の誤嚥事故でピンチ…特産の街の市役所では5000パック購入し支援
6月24日、愛知県の豊橋市役所に到着した1台のトラックには「うずら卵の水煮」が積まれていた。
豊橋市は「うずら卵」の生産が日本一だが福岡県で2月、小学1年の男子児童が喉に詰まらせて死亡した事故の影響で、西日本を中心に学校給食での提供見合わせが相次いでいるという。
在庫を抱える加工業者を支援しようと、豊橋市の職員ら有志が、賞味期限の迫ったうずら卵の水煮合わせて5000パックをまとめて購入し、市役所でさっそく昼食のカレーや中華丼にトッピングして味わった。
豊橋市役所の職員: 「何かお役に立てないかなと思って購入させていただきました」 別の職員: 「小さい頃から口にしているものなので、ずっと豊橋の名産であってほしいと思います」
■小学校では校内放送で注意喚起しながらうずら卵を提供
豊橋市立福岡小学校では6月下旬、給食にうずら卵が入ったカレーが出された。
配膳中には、校内放送で「きょうの給食のおかずには、うずら卵が入っています。うずら卵はよくかんで食べましょう」とアナウンスが流れ、早食いをせずよく噛んで食べるよう、栄養教諭が指導していた。
うずら卵は児童からも「おいしい」と人気で豊橋市では、事故のあとも以前と変わらず月に1回ほどの頻度で給食に使われている。
山本加奈子栄養教諭: 「よくかんで食べることが食育の面でも大事だと思っていますので、豊橋市の産物であるうずら卵を、給食を通して知ってもらって、郷土に親しみや誇りを持ってもらいたいなと思っています」
■エスプーマ状にしてご当地グルメのカレーうどんとコラボさせる店も
創業47年の、豊橋市のうどんとそばの店「霧下そば 十勝庵」でもうずら卵を積極的に扱い、支援していた。
豊橋市では “カレーうどん”がご当地グルメとなっていて、特徴の一つがうずら卵を使っていることだ。 この店ではうずら卵をチーズなどと混ぜて、泡状のいわゆる“エスプーマ”にしてカレーうどんに添えているほか、このエスプーマをたっぷりのせた「白いカレーうどん」も人気だ。