厚労省「レプリコンワクチン」製造販売を了承 “新たなコロナ対策”に期待高まる
厚生労働省の専門家部会は、Meiji Seikaファルマが開発した自己増幅型の新型コロナウイルスワクチンの製造販売の承認を了承しました。この内容について小幡医師に伺いました。 【イラスト解説】レプリコンワクチンの特徴・従来ワクチンとの違い [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
厚生労働省の専門家部会が了承した内容とは?
編集部: 厚生労働省の専門家部会が了承した内容について教えてください。 小幡先生: 今回紹介するのは、厚生労働省の専門家部会が2024年9月12日に明らかにした、新型コロナウイルスJN.1株対応ワクチン、「コスタイベ」の製造販売の承認了承についてのニュースです。 このワクチンは、製薬会社のMeiji Seikaファルマが開発したもので、メッセンジャーRNAワクチンを改良した新しいタイプの「レプリコンワクチン」と呼ばれています。レプリコンは、日本語で「自己増殖型」という意味です。レプリコンワクチンは接種後の一定期間、ウイルスの働きを抑える中和抗体の産生につながるmRNAが体内で増えるという特徴を持っています。そのため、接種量は従来の6分の1から20分の1で済み、少量の接種で効果が長く続く特性があります。 Meiji Seikaファルマがおこなった臨床試験では、接種後1カ月時点で、血中の中和抗体量は接種前の8倍、半年時点でも4倍の数値が確認されたとのことです。海外製の承認済みワクチンと比べて中和抗体量が高く、副反応の頻度に違いがみられなかったことも示されています。
レプリコンワクチンとは?
編集部: Meiji Seikaファルマが開発した「コスタイベ」は、レプリコンワクチンという新しいタイプのワクチンとのことですが、レプリコンワクチンについて詳しく教えてください。 小幡先生: 先ほども触れましたが、レプリコンワクチンとは、従来のmRNAワクチンを改良したワクチンです。自己増幅型RNAを持つため、細胞内でRNAが増殖して、少量の投与でも十分な免疫反応を引き起こすことが期待されています。 Meiji Seikaファルマによる臨床試験の結果を紹介しましたが、ARCT-154というレプリコンワクチンを対象にした臨床試験では、重症化予防効果が95.3%、発症予防効果が56.6%という結果が示されています。また、ARCT-154を追加接種した場合もウイルスに対する中和抗体価が6カ月以上持続することが確認された研究結果も示されています。