まりえ記者のインタビューに答える坂井瑠星

　日本調教馬による悲願の初制覇へ抜かりなし――。凱旋門賞（６日＝パリロンシャン競馬場・芝２４００メートル）に出走するシンエンペラー（牡３・矢作）は２日に最終追い切りを行い、上々の動きを見せた。日本馬が苦汁をなめ続けたロンシャン競馬場への準備も万端で、下見どころか、既に現地も疾走済みだ。騎乗する坂井瑠星（２７）に、現地取材を続ける三嶋まりえ記者が独占インタビューを敢行した。 　――シンエンペラーは仏アルカナ社のセール出身馬だが、海外遠征は前走の愛チャンピオンＳ（３着）が初めて 　坂井　出身が海外だし、そのあたりは全然大丈夫で、いつも通りだった。 　――馬場への対応 　坂井　全然大丈夫。晴れ寄りの曇りで、レパーズタウンの馬場はすごく良かった。前日歩いた時は湿っていたけど、当日風も結構強くて、日本に近いような馬場だった。高低差は全然問題なかった。ただ、ロンシャンとは全然違う。 　――ロンシャンは何度か騎乗したことがある 　坂井　路盤も違うし、アップダウンも競馬場によって違う。レパーズタウンは下ってスタートで、ちょっと上がってまた下って、４角でがーんと下って、もう１回上がって、直線ずっと上り。レパーズタウンで好走したからといってヨーロッパが大丈夫ですとは言い切れない。翌日に前哨戦をロンシャンで見てきたけど、馬場が緩いし、時計もかかっていた。雨降ると一気に悪くなる。 　――２年前にフォレ賞（３着）で乗った時は 　坂井　凱旋門賞の後のレースで、ぐっしゃぐしゃだった。水はけが悪いから水が残る。水がたまっている土の上を走るみたいな感じ。だから、一歩一歩脚が入っちゃう。日本はすぐ乾くけど、（こちらの馬場は）残る。馬の脚音が全然違う。具体的に？　ぐしゃって感じ（笑い）。 　――シンエンペラーにとっては 　坂井　大丈夫だと思うけど、そこはやってみないとわからない。良馬場なら全然大丈夫だと思う。 　――（ロンシャン競馬場のコース図を見ながら）ポイントはどこか 　坂井　フォルスストレートって言ってほしいんでしょ（笑い）。でも、全部がポイントだし、全頭がライバル。 　――凱旋門賞に乗るのは初めて 　坂井　凱旋門賞は、日本のホースマンにとっての夢。一番勝ちたいレースとして挙げられることが多いし、日本人が誰も勝っていない。特別なレースだと思う。